研究課題/領域番号 |
02402007
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
渡辺 靖志 東京工業大学, 理学部, 教授 (40126199)
|
研究分担者 |
金行 健治 東京工業大学, 理学部, 助手 (30224629)
谷森 達 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10179856)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | カロリメータ / 液体アルゴン / 高速読み出し / ハーメティシティ |
研究概要 |
ハドロンコライダー用カロリメータとして最有力候補の一つとして、液体アルゴンカロリメータがあげられている。液体アルゴンは、数々の利点を有する反面、その欠点として、クライオスタットの必要性によるハーメティシティ(気密性)の劣化とその応答速度の遅さがあげられる。この2点について開発を行った。 1.カロリメータの基本設計 カロリメータは全体の測定器の中で超伝導ソレノイド電磁石の外側、ミューオン測定器の内側に置かれるという境界条件で、ハーメティシティ(気密性)について徹底的な最適化を行うと共に、その建設手順、支持方法、組み込み手順、アクセスの方法などについて検討した。また、電磁およびハドロンカロリメータの各モジュールに、前置増幅器を直接取り付けた場合の冷却について検討し、実際に冷却試験を行って安全性を確かめた。 2.速い読み出しのカロリメータのビームテスト 速い読み出しの液体アルゴンカロリメータの建設とそのビームテストは、日米協力事業の一環として、BNL(ブルックヘヴン国立研究所)で行われた。建設されたカロリメータの大きさは、縦横1m×1mで奥行き1.7m(7.5interaction lengths)であり、パルス整形のピーキング時間は、50、100、および200nsの3種類を調べた。そして、ビーム運動量0.5〜20GeV/cの電子とパイオンビームに当てて、そのエネルギー分解能、電子とパイオンとの応答の違イ(e/h比)、パイルアップ効果などについて調べた。 以上の研究により、ハドロンコライダー用カロリメータとして十分な性能を持った液体アルゴンカロリメータを提案することが出来た。液体アルゴンへの混入物の影響については、当初は、上記のビームテストに間に合わせて、キセノン混入ビームデータも取得する予定であったが、残念ながら時期的に間に合わなかった。その後の研究の結果、液体アルゴンでは当初予測したほどの効果が無いことが判明した。
|