研究分担者 |
吉村 尚久 新潟大学, 理学部, 教授 (40018255)
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 助手 (60200169)
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 助教授 (30101059)
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (00126426)
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 助教授 (50143748)
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研究概要 |
本研究は日本海地域に焦点をあて,以下の5点について検討を進めている.1:生物起源石灰化物の元素の挙動,2:堆積岩の地球化学的特徴,3:火成岩の時間的・空間的変遷,4:火成岩の2次的変化,5:変形構造と鉱物の組成変化の関連.これらの目的達成のために,EPMAを購入した.第1年度はこの分析方法の確立に労力が費やされたが,以下のような実績が上げられた. 1.歯化石の続成過程における組成変化について検討した.これらは電子線の照射による損傷が激しいので分析方法についてまず検討を行なっている.予察的結果によると,歯化石の各所に沈着している黒色物質は鉄と硫黄からなっていること,これらは微生物の関与の元で還元的環境下で形成されたものと推定される.2.堆積岩の後背地の特徴を解明するため,砂岩や頁岩の化学分析を行なった.また,砂岩の砕屑粒子をEPMAを用いて分析し検討している.これらの結果,後背地における地層や岩石の露出過程(隆起過程)を精密に知ることが可能となった.3.日本海形成前後の火成岩の時空的分布を明かにするために,広範な地域の資料に関して年代測定を行なうとともに,同位体組成,全岩化学組成を検討した.その結果,日本海形成時に,Sr同位体組成の著しく低い起源物質が大規模に上昇してきたとの知見をえた.4.日本海海洋地殻と見られる奥尻海嶺玄武岩について変質タイプと全岩組成変化との関連などについて検討し,変質タイプの違いにより,玄武岩の二次的組成変化は大きく異なることなどが明かとなった.5.変形構造と鉱物組成との関連については,同じ時期に晶出した変成鉱物でも,変形小構造のどの位置に晶出するかで,組成が異なることがあることが分かった.
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