研究分担者 |
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (00126426)
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 助教授 (30101059)
吉村 尚久 新潟大学, 理学部, 教授 (40018255)
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 助教授 (60200169)
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
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研究概要 |
本研究で得られた成果はつぎの通りである.1)マントルに由来する火成岩の形成過程とその時間的・空間的変遷:東北日本弧の玄武岩類のSr同位体比の研究に基づくと,15Ma前後に,背弧側〜日本海域下の大陸性マントル中へのSr同位体に乏しいアセノスフェアが貫入したことが示唆される.背弧側玄武岩を形成したマグマの多くはこのアセノスフェアに由来するものと解釈される.2)地殻浅所・海洋底・地表におけるこれらの火成岩の変質・風化過程:火山性岩石の変質過程で生じた沸石であるワイラケ沸石についてはSi,Alのオ-ダ-リンクと生成温度には明らかに相関が認められ,共生する縁泥石ースメクタイト混合層鉱物における構成層の割合の変化も一定の傾向を示している.また,日本海の堆積物中のバクテリア起源磁鉄鉱,粘上鉱物を検討し,鉱物学的記載とともに分布パタ-ンが日本海の環境変遷に対応する可能性を論じた.3)地表における堆積物の変化過程:北部フォッサマグナに分布する新第三系のタ-ビダイト砂岩に含まれるガ-ネット,角閃石類,輝石の化学組成は他域および層準による違いを示すことが明かとなり,それらの後背地を推定した.また,新潟地域のテフラの運搬・堆積過程を検討し,ash flow turbidaiteであることを明らかにした.4)生物の石灰化組織(石灰化物)の形成過程と地殻中・地表における生体鉱物の続成変化過程:デスモスチルスの白歯化石は化石化過程の間に周囲の外界からFeなどの金属元素を取入れ,硫化鉄の鉱物が表面に付着するのみではなく組織内に沈着させている.また,微量元素は生時の状態を保存していることが明かとなった.5)変形構造の形成過程における鉱物の微細組織・組成変化の過程:変形構造・組織の形成にともなう,変成鉱物の化学組成の変化を追跡することによって,日高変成帯主帯の上昇過程,そして九州四万十帯の付加体形成過程を検討した.
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