研究概要 |
数KWの高出力の炭酸ガスレ-ザを工業加工,金属の切断,熔接などに応用することを目的とし,可撓性を有する中空導波路を実現する為の研究を行なった。得られた研究成果の概要は以下の通りである。 1.円形ゲルマニウム内装銀中空導波路による高電力伝送 プロセスの改善により,円形断面を有するゲルマニウム内装銀中空導波路で,0.05dB/m以下の損失をもつ伝送路を安定に製作できるようになった。水冷,空冷などの実装化技術により,1KWのCW光を伝送するのに成功した。内径を1.7mmと増加させ,更に2mの長さをもつ内装導波路に対しては,入力3KWに対し,出力2.6KWが得られ,金属の熔接を導波路を用いて世界で始めて成功した。可撓性を増すこと,管径を細くして集光特性を良くすることが今後の課題である。 2.セレン化亜鉛内装銀中空導波路による低損化 短尺(〜25cm)の導波路を用いて誘電体内装導波路の低損失化の条件を明らかにしたので,新たに多極スパッタリング装置を製作し,ポリイミドパイプを母材としてセレン化亜鉛内装導波路を製作した。直線状態ではその低損失性の故にゲルマニウム内装とセレン化亜鉛内装では大きな区別は困難であるが,インコヒ-レント光による高次モ-ド伝送,あるいは曲げ特性などからはセレン化亜鉛内装導波路は従来導波路に比してはるかに優れていることを示した。今後は,KWオ-ダの炭酸ガスレ-ザ光を伝送した時の特性を評価する予定である。 3.矩形誘電体内装導波路による長尺化 数mの長さの誘電体内装導波路を組み立て法に基礎を置いて製作することを試みた。
|