| 研究概要 |
1.波浪中を動揺する超高速船について作用する流体力の理論計算法を開発した。本計算法では自由表面条件に高速の前進速度の影響を考慮し、流場の方程式は船が細長いことにより2次元近似ができるとした。
本方法は双胴型の超高速船,水中翼が有する超高速船にも拡張して適用できる。
2.波浪中の超高速船に作用する流体力の理論を検証するための新しい水槽実験法を開発した。これは模型船のまわりの波動を計測・解析し,理論の予測に比較する方法で,既に開発済であったものであるが,本研究においては高速船に適用できるようにするための改良を実施した。1の理論を本法で調べ理論の精度を検証した。
3.2の計測によって波浪中の低抗増加を求めることができる。高速船の場合には,力の計測によって低抗増加を精度良く求めることは非常に難しいが,船のまわりの波動場の計測による値は再現性が高く,精度もよい。このようにして求めた低抗増加の値と理論計算値とを比較した。
4.強制動揺試験によって,高速船の動揺の付加質量,減衰係数を計測した。1.の理論が,今まで用いられてきたストリップ法などの実用計算法より精度が高いことが実証された。
5.上記の結果を総合して,高速船の波浪中の動揺理論の計算を実施した。
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