研究分担者 |
小高 正敬 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90016866)
高橋 実 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90171529)
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (80158039)
有冨 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (60101002)
関本 博 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (00108242)
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研究概要 |
事故に際して,受動的原理のみにより炉停止及び必要な熱除去が行われ,更に損傷が生じても,放出放射能の量が制限され被害を与えないような高温ガス炉(本研究では被覆燃料粒子を使った原子炉一般を扱い,必ずしも高温ガス冷却の炉にこだわらないことにする)を基礎とする原子炉の概稔を構築するため,炉物理,炉工学,材料等の広い範囲にわたる研究を,東京工業大学・原子炉工学研究所内の関係するスタッフが一丸となって行った。なお日本原子力研究所では同様の原理に基ずく研究炉が建設中であることから,同研究所からの協力も得て,研究を行った。多くの成果の概略を述べる。 まず反応度事故及び冷却能力喪失事故について従来の解析手法を検討した後,高温ガス炉での事故の振る舞いについて検討した。更に同様の炉心構成をとる高中性子束炉に関しても解析を行い,適当な設計条件のもとで,被覆燃料粒子の健全性を保持したまま事故を終息させることができることを示した。燃料を球形にすることによりさまざまな特長を有する高温ガス炉を設計することができるが,このような体系を想定した流動・伝熱実験を行い多くの知見を得を。炉心に空気が進入すると,黒鉛の酸化が起こり,重大な事故に至る可能性が考えられれる。加熱炭素系模擬集合体への空気・水蒸気進入模擬実験を行い,この事象の現象的特徴を明かにした。被覆粒子燃料の中に放射性物質を閉じ込めておくのに重要な役割を果たすSiCの放射線損傷について機械的性質の変化や酸化速度への影響まで含めた研究を行い,興味ある知見を得た。更に安全性を高める方法として,ヒートパイプを利用することを考え,そのような原子炉について検討した。
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