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1990 年度 実績報告書

蒸気爆発のメカニズム及び圧力波発生・エネルギ-転換に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 02402058
研究機関大阪大学

研究代表者

宮崎 慶次  大阪大学, 工学部, 教授 (40029202)

研究分担者 西川 雅弘  大阪大学, 工学部, 教授 (50029287)
布垣 昌伸  大阪大学, 工学部, 教務職員 (10208275)
井上 正二  大阪大学, 工学部, 教務職員 (10203233)
斉藤 正樹  大阪大学, 工学部, 助教授 (30215561)
キーワード蒸気爆発 / 圧力波 / エネルギ-転換 / 原子炉安全工学 / 溶融錫ー水系 / 熱的相互作用 / 炉心溶融事故 / 自発核生成温度
研究概要

(1)熱的相互作用に対する物性値と温度条件の影響
アルゴンガス雰囲気で溶融させた錫を水プ-ル中に落下させ、高速度ビデオなどの視覚的観測により熱的相互作用に対する温度条件を調べ、先に行った溶融錫上への水滴落下実験の結果と比較し、両者の間に基本的な差がない事が分かった。即ち、激しい熱的相互作用の起こる条件として、(a)錫温度は290℃付近の水の自発核生成温度に基づくとみられる温度しきい値より高い事、(b)水温は飽和温度より約20℃低い事、(c)熱接触時に安定な膜沸騰にいたる高温より低い接触面温度である事が必要である。成果を原子力学会英文誌に投稿準備中である。
(2)外部トリガ-による誘発と圧力発生・伝播とエネルギ-転換
内径31mmの衝撃波管型試験部で、上部の長さ1m程の水柱を膜破断により、下部の真空中の高温の溶融錫プ-ル(300ー700℃、融点:232℃)上へ落下させ、溶融錫ー水の熱的相互作用を起こさせた。その際、発生する圧力波と水柱の運動速度を測定し、衝撃力とエネルギ-転換率を評価し、爆発現象特有のばらつきが大きいものの、次の様な概略結果を得た。(a)発生圧力は錫温度と共に増加し、200barに達する。(b)発生する力学的エネルギ-は錫温度と共に増加するが、必ずしもピ-ク圧力とは対応せず、圧力波の時間積分値即ち圧力衝撃値とよく対応する。(c)錫の蓄積熱(顕熱)から力学的エネルギ-への転換率は錫温度にあまり依存せずほぼ1%前後となる。(d)溶融錫上に不凝縮性ガスを入れると、熱的相互作用が緩和され、ガス量と共に圧力衝撃値や力学的エネルギ-は減少するが、圧力ピ-クはかえって増加する傾向がある。今後も800℃以上の錫温度で実験を行う予定である。
今年度は溶融錫ー水系の実験しか行っていないので、次年度以降でアルミ、金等の高温実験や液体金属での実験へ移行させる計画である。

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公開日: 1993-08-10   更新日: 2016-04-21  

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