研究課題/領域番号 |
02403016
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
作花 濟夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (10027021)
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研究分担者 |
宮路 史明 京都大学, 化学研究所, 助手 (80219782)
幸塚 広光 京都大学, 化学研究所, 助手 (80178219)
横尾 俊信 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90158353)
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キーワード | 非シリケ-トガラス / 非線形光学 / ガラス構造 / X線動径分布解析 / 中性子散乱 |
研究概要 |
Bi_2O_3ーBaOーCuO3成分系ガラスの構造及び物性について研究した。この系のガラス化領域は以前に調べたBi_2O_3ーCaOーCuO及びBi_2O_3ーSrOーCuOよりも広いことが分かった。このガラスの結晶化挙動をDSCにより調べたところ、全ての組成においてBaBiO_<2.77>結晶が優先的に生成し、その後温度が上昇するとBaBiO_3に相転移することが確認された。このガラスの結晶化機構は表面結晶化であり、その活性化エネルギ-は325ー438kJmol^<-1>でBiーSrーCaーCuーO系ガラスの値とほぼ等しいことが明かとなった。 20Na_2O・(80-3X)SiO_2・xSi_3N_4オキシナイトライドガラスの構造を中性子回析により精密に調べた。その結果、x=4のガラスではSiーO結合長は0.1626nmと窒素導入前とほとんど変化なく、またSiーN結合長は0.1709nmであった。窒素のまわりのSiの数として2.3という値が得られ、2配位の窒素が66%と圧倒的に多いのに対して3配位の窒素は僅か34%しかないという非常に興味ある結果が得られた。すなわち、ナイトライドの形でガラス中に存在する窒素は非常に少ないことが分かった。 PbOーGa_2O_3ーMO_x(M=Ti,Nb,W)3成分系ガラスの構造及び物性について研究した。PbOーGa_2O_3系ガラスにおいてGa^<3+>イオンは4配位の形で存在し、GaーO結合強度はPbO含有量の増加と共に減少することが確かめられた。また、これらのガラスは高い屈折率、赤外透過性及び非線形光学特性を示すことが明かとなった。各種遷移金属酸化物を含むTeO_2ガラスの構造と3次の非線形光学特性を調べた。3次の非線形感受率x^<(3)>は屈折率の増加、光学バンドギャップエネルギ-の減少と共に増加することが見いだされた。約20mol%Nb_2O_5を含むガラスが最も大きなx^<(3)>(4.9x10^<-13>esu)を示した。また、ガラスの3次の非線形感受率を支配する最も重要な因子を調べ、最終的には大きなx^<(3)>を有するガラスを材料設計する事を目指している。
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