研究課題/領域番号 |
02403020
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中井 武 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
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研究分担者 |
寺田 真浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (50217428)
友岡 克彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (70207629)
三上 幸一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10157448)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 不斉合成 / 不斉触媒 / アルドール反応 / エン反応 / ディールス-アルダー反応 / クライゼン転位 / チタン錯体 / ユーロピウム錯体 |
研究概要 |
合成化学的に有用な炭素-炭素結合生成反応を不斉触媒化しようとする本研究の3年間の研究成果は以下の通りである。 1.不斉アルドールの触媒的立体化学制御:ユーロピウム錯体を触媒に用いてα-アルコキシおよびα-アミノアルデヒドとケテンシリルアセタールとの不斉アルドール反応の立体化学制御に成功し、酵素反応で見られるような「分子認識に基づく触媒的立体化学制御」を実現した。さらに、この触媒反応手法を用いて、カルバペネム中間体やレニン阻害剤の構成成分の高ジアステレオ選択的不斉合成に成功した。 2.カルボニル-エン反応の不斉触媒化:光学活性ビナフトールから調製したキラルなチタン錯体を触媒に用いてグリオキシラート-エン反応の不斉触媒化に功成し、α-ヒドロキシエステル類の効率的不斉合成法を確立した。また、この不斉触媒反応において、不斉源の光学純度を上回る不斉収率がえられるという珍しい"不斉増幅現象"を見出し、そのメカニズムを解明した。 3.Diels-Alder型反応の不斉触媒化:上記のキラルチタン錯体は、グリオキシラートを親ジエン体とするヘテロD-A反応やるメタクロレインやキノン類を親ジエン体とするD-A反応に対しても優れた不斉触媒となることを見出し、(ヘテロ)D-A反応の不斉触媒化にも成功した。 4.アリル金属のカルボニル付加反応の不斉触媒化:上記のキラルチタン錯体を触媒に用いて、グリオキシラートへのアリルシランやアリルスズは付加反応の不斉触媒化にも成功した。 5.Claisen転位の不斉触媒化:パラジウム(II)錯体を触媒に用いて"エーテル交換を経るClaisen転位"の高ジアステレオ選択的触媒化に成功したが、その不斉触媒化は以然未成功である。今後光学活性配位子をもつキラルパラジウム錯体を用いてその不斉触媒化を検討する予定。
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