凝集制御した超微粒子の等方超高圧成形による高密度ナノ多結晶体の製造

1992 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02403022
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 神保 元二 名古屋大学, 工学部, 教授 (80022995)
• 研究分担者: 神谷 秀博 名古屋大学, 工学部, 助手 (20183783) ; 鈴木 久男 豊田工業大学, 助教授 (70154573)
• キーワード: 無機系超微粒子 / ゾル-ゲル法 / 超微粉砕 / ヘテロ凝集 / 超高圧CIP / 低温焼結 / 離散要素法 / 拡張拡散支配凝集モデル

研究概要

1.ゾル-ゲル法及び粉砕法による各種超微粒子等方超高圧成形体の低温焼結特性と緻密化;ゾル-ゲル法により得られた球形単分散シリカ微粒子,粉砕法により作製した窒化ケイ素.ジルコニア等の微粒子を等方高圧成形(最大1GPu)し、60〜80%の相対密度をもつ高密度成形体の作製に成功した。この成形体を焼結した結果,従来より数百度低い温度でほぼ100%ち密なナノ構造多結晶体が得られた。
2、アルミナ/炭化ケイ素系を中心としたナノ複合焼結体の製造;ゾル-ゲル法により第二成分が均一分散したムライト及びアルミナ超微粒子を用い、炭化ケイ素微粒子との複合化を行った。ゾル-ゲル法で作製した超微粒子及び液相法で生成したアルミナ超微粒子は、凝集体を分散させるため、多量の界面活性剤を使用したため、噴霧乾燥後、熱処理により輝発分の除却を行った。超微粒子凝集体が分散するための界面活性剤濃度条件とその評価方法、及び輝発分除却のための熱処理条件を定量的に確立した。乾燥粉を1GPaまでの等方超高圧成形した後、常圧条件での焼結で高密度化が達成された。原料超微粒子の分散は最終的なナノ複合焼結体の複合微粒子分散状態に著しい影響があり、界面活性剤を添加しない系では焼結性にも劣化が確認された。
3.均一単分散シリカ微粒子を用いた緻密化機構の理論的解析と、離散要素法を用いた計算機シミュレーションによる理論の検証;金属アルコキシドより合成した各種粒子径の単分散シリカ微粒子及びその噴霧乾燥顆粒体を温度条件を変えて熱処理し、強度及び変形特性を変化させた。各種機械的特性を持った粒子を超高圧成形し、成形体構造と粒子び粒子集合体特性の関係を定量的に評価するとともに、修正Rumpf式等を用いた理論的解析を行った。さらに成形体内の細孔径分布の変化を計算機シミュレーションを用いて解析した。

研究成果

• [文献書誌] H.Kamiya,H.Suzuki,T.Ichisawa,G.Jimbo: "Vltva-hibh Pressure Cold Isostatic Pressing -Low Temperature Sintering of Alkoxide-devired Mullite Powdevs-" Ceramic Engineeving & Science Proceedings. 13. 563-570 (1992)
• [文献書誌] H.Kamiya,H.Suzuki,D.Kato,G.Jimbo: "Densification of Alkoxide-Derived Fine Silica Powder Compact by Ultra-High Pressure Cold Isostatic Pressing" Journal of American Cevamic Society. 76. (1993)
• [文献書誌] 神谷 秀博,磯村 賢児,神保 元二,堀田 禎,椿 淳一郎: "窒化ケイ素の粉体特性及び成形体構造による焼結特性の変化" 日本セラミックス協会学術論文誌. 101. (1993)
• [文献書誌] 神谷 秀博,八木 惠美子,神保 元二: "超微粒子凝集体の充填シミュレーション-充填構造に及ぼすシミュレーション条件の影響-" 粉体工学会誌. 30. (1993)
• [文献書誌] 神谷 秀博,仲山 千秋,神保 元二: "酸化物系超微粒子の等方高圧成形特性" 化学工学論文集. 19. 219-228 (1993)
• [文献書誌] T.Yokoyama,G.Jimbo,T.Nishimura,S.Sakai: "Wear of Vibration ball Mill in Wet Grinsing at Constant Temperature" Powder Technology. 70. 153-161 (1992)