研究課題/領域番号 |
02403023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
駒野 徹 京都大学, 農学部, 教授 (30026413)
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研究分担者 |
木岡 紀幸 京都大学, 農学部, 助手 (90234179)
植田 和光 京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
酒井 裕 京都大学, 農学部, 助教授 (60089117)
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キーワード | DNA合成開始領域 / プライマ-ゼ結合部位 / ステム・ル-プ構造 / 転写調節機構 / CRP結合部位 / 部位特異的変異 / 融合遺伝子 / 転写調節部位 |
研究概要 |
1.DNAの合成開始反応は、最初に2重鎖の巻き戻しがあり、次にプライマ-RNA合成が起こり、このRNAにDNAが結合する形で子供のDNAの合成が行なわれる。巻き戻されたDNAは必ず1重鎖となりプライマ-の結合を可能にする。プライマ-ゼは生物種により異なり、またDNA上の認識部位も異なるが、認識部位には特徴的な立体構造が存在する。これがssiシグナルで、プラスミドRSF1010には異なるDNA鎖上に1個ずつ2個が逆向に存在し、ColIbには1個しか存在しなかった。これは前者が広宿主域であるのに対し、後者は限定された宿主においてのみしか増殖し得ないことの原因であると考えられる。 2.多くの遺伝子の発現はcAMPーCRPの制御下にあるが、CRPの変異したCRP^※はcAMPばかりでなくcGMPでも発現制御する。このCRP^※を用いて発現する遺伝子の検索をしたところ、マンノ-スの代謝を盛んにするsfs1遺伝子の存在することを見い出した。大腸菌の細胞分裂の制御がcAMPによって行なわれているという実験結果を得ているが、遺伝子発現調節と細胞の生理作用との関連性の解明に役立つと考えられる。 3.高等生物の遺伝子の発現は原核生物のそれに比べて、はるかに複雑である。複雑な要因の1つが遺伝子の構造そのものであり、他はプロモ-タ-領域にある。動物の細胞や個体の成長に不可欠な成長ホルモンの遺伝子をヤギより分離・精製することに成功し、その構造を解析した。成長ホルモン遺伝子は3種類存在しており、そのうちの1つは実際に発現していない凝似遺伝子であった。各遺伝子の上流及び下流には特徴的なくり返し配列が存在しており、これらの配列はそれぞれ極めて相同性が高かった。進化学的に見て極めて意義深いものと考えられる。ヤギ成長ホルモン遺伝子は4つのエキソンと5つのイントロンからなり、エキソンはヒトなどの遺伝子とのホモロジ-は極めて高かった。
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