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1992 年度 実績報告書

新しい発現調節遺伝子の開発と利用

研究課題

研究課題/領域番号 02403023
研究機関京都大学

研究代表者

駒野 徹  京都大学, 農学部, 教授 (30026413)

研究分担者 木岡 紀幸  京都大学, 農学部, 助手 (90234179)
植田 和光  京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
酒井 裕  京都大学, 農学部, 助教授 (60089117)
キーワード複製開始領域 / Btのプロモーター / SSIシグナル / 熱ショックレスポンス / 多剤耐性
研究概要

1.Bacillus thuringiensis(Bt)の大きいプラスミドにコードされている殺虫性タンパク質のプロモーター領域を解析したところ、枯草菌の胞子形成期に使用されるのと同じプロモーターの塩基配列がRNA合成開始部位の上流約400塩基対のところに存在していた。このプロモーター構造を含む殺虫性タンパク質遺伝子を枯草菌に形質転換して発現の様相を調べたところ、胞子形成期に多発現することが確認されたことから、Btと枯草菌とでは、胞子形成期に発現する共通の強力なプロモーターが存在することが明らかになった。
2.大腸菌プラスミドColIbは強力なDNA複製能力を有しており、組換えDNAのベクターとして十分に利用可能である。このプラスミドのDNA合成開始領域を単離し、構造を解析して、これまで強力なDNA合成開始能力を有するプラスミドやウィルスと同様に、SSIシグナル1個を有することを明らかにした。それ故ColIbは、類似のプラスミドRSF1010とは異なり、ローリングサークル様にDNA複製を行っている可能性のあることを示唆している。
3.抗がん性抗生物質をがん細胞に投与すると細胞は耐性を獲得する。一種類の抗生物質に対して耐性を獲得すると、同時に他の抗生物質に対しても耐性となること、及びこの耐性はP-糖タンパク質とよばれる膜タンパク質が多く発現されていることによることが明らかとなった。P-糖タンパク質が多く発現するためには、P-糖タンパク質の遺伝子(MDR)の発現の促進がある。この促進機構の1つとしてプロモーター領域の構造の特殊性があると考えられる。事実、プロモーター領域には熱ショックタンパク質結合部位、及びフラボノイド感受性部位の存在が明らかになった。これらの事実は、抗がん性抗生物質を細胞は一種の警戒シグナルとして感知して
いることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hajime Yoshisue: "Effects of Bacillus thuringiensis var.israelensis 20-kDa protein on production of Bti 130-kDa crystal protein in Escherichia coli" Biosci.Biotech.Biochem.56. 1492-1433 (1992)

  • [文献書誌] Katsunori Tanaka: "Structural and functional features of cisacting sequences in the basic replicon of plasmid ColIb-p9" Nucleic Acids Res.20. 2705-2710 (1992)

  • [文献書誌] Tohru Saeki: "Specific drug binding by purified lipid-reconstituted P-glycoprotein: dependence on the lipid composition" Biochim.Biophys.Acta. 1107. 105-110 (1992)

  • [文献書誌] Noriyuki Kioka: "Heat-shock responsive elements in the induction of the multidrug resistance gene (MDRl)" FEBS Letters. 301. 37-40 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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