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1991 年度 実績報告書

熟成に伴う食肉軟化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 02403025
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 興威  北海道大学, 農学部, 教授 (40001432)

研究分担者 服部 昭仁  北海道大学, 農学部, 助教授 (50125027)
キーワード食肉の熟成 / 食肉の軟化 / ネブリン / ネブリン分子の断片化 / カルシウムイオン
研究概要

平成3年度に受けた補助金で自記分光々度計,超遠心機分離用ロ-タ,およびクロマトデ-タ処理装置を購入したことにより,本研究は計画通り順調に進行した。すなわち,ネブリンに由来する5種類の分子断片の単離・精製にあたっては超遠心機分離用ロ-タとクロマトデ-タ処理装置によって,また各分子断片とアクチンとの相互作用の送究では自記分光々度計によって良好な結果が得られた。得られた新知見は以下の通りである。1.ネブリン分子の断片化は10μM2以上のCa^<2+>で非酵素的に誘起され,0.1mM.Ca^2の効果が最大となり,200,40および23kDaの分子断片にCa^<2+>が結合すると断片化が起こる。2.Ca^<2+>によって生成した5種類の分子断片の抗体を作成し,間接免疫蛍光法および免疫電子顕微鏡法によりそれらの筋原線椎内局在を追究した結果,ネブリン分子はZ線から細いフィラメントの先端に至る約1cmの長さを有するフィラメントとして存在することが明らかになった。3.各分子断片はいずれもアクチンと結合するので,ネブリン1分子は細いフィラメントの全長に至ってアクチンと側面結合していることがわかった。4.これらのことから,生体内ではネブリン分子が細いフィラメントを構成するアクチンと結合することによって細いフィラメントの構造を安定化しているが,食肉の熟成中にサイトゾルのCa^<2+>が0.1mMに上昇するとネブリン分子の断片化が起こり,細いフィラメント構造の不安定化および筋原線維構造の脆弱化をくと考えられ,これが熟成に伴う食肉の軟化の一要因になっていると結論することができる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Takahashi: "Nonーenzymatic weakening of myofibrillar structures during conditioning of meat:Calcium ions at 0.1mM and their effect on meat tenderization" Biochimie.

  • [文献書誌] K.Takahashi: "Calciumーinduced splitting of ccnnectin filaments into βーconnectin and a 1,200KDa subfragment" J.Biochem.

  • [文献書誌] D.H.An: "Structural changes in Zdisks of skeletal mascle myofibrils daring grawth of chicken" J.Biochem.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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