研究課題/領域番号 |
02403029
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大島 泰郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60167301)
|
研究分担者 |
山岸 明彦 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50158086)
若木 高善 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70175058)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1993
|
キーワード | たんぱく質安定化設計 / 高度好熱菌 / 進化的分子工学 / 部位特異的変異 / キメラ酵素 / カナマイシン耐性酵素 / Termus thermophilus / イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ |
研究概要 |
3-イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼをモデルをモデルたんぱく質として高度好熱菌Thermus thermophilusの生産する熱安定酵素を解析することにより、酵素たんぱく質の安定化設計を試みた。第一の方法は理論的分子設計法である。例えば大腸菌の酵素はサブユニット間の相互作用において疎水性相互作用が弱いと推定されたので、これを強化するよう部位特異的変異を設計した。その結果得られた変異酵素たんぱく質は熱安定であり、好熱菌を手本とする分子設計に成功した。その主たる耐熱化機構もサブユニット間の結合が堅くなって、分子全体の安定性が上がっていると解析された。 第二の好熱菌を用いたんぱく質の耐熱化設計法として、好熱菌を宿主とする遺伝子操作系を開発しこれを用いた実験室内進化を試みてきたが、この面でも成功を収めた。すなわちT.thermophilusからイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼをコードしている遺伝子を完全に欠損させ、この変異株を宿主として大腸菌の遺伝子など耐熱性の低いイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を導入し連続培養により耐熱性を獲得した株に進化してくるのを待つ。このやり方で耐熱化に成功した。さらに、この方法が特定の遺伝子や遺伝子座位に限らないことを証明するため、ピリミジン生合成系の遺伝子の利用や、開いたり、中等度好熱菌由来のカナマイシン耐性遺伝子産物の耐熱化にも成功した。これらの方法はたんぱく質の耐熱化法として(1)内部の空隙を埋めること(2)側鎖の歪みの解消という設計原理を示唆した。
|