研究概要 |
1。Candida albicansの酵母型増殖における細胞外proteinaseの誘導に関する生化学的研究。 C.albicansは、タンパク質を唯一のN源として生育させると,細胞外にproteinase(EPR)を分泌する。しかし,培地にglucoseが存在しないときは誘導されない。また、低分子N源が過剰にあると誘導されない。誘導された細胞中のEPRは、抗EPR抗体によるイムノブロツトで,43KDと45KDの大きさであった。誘導細胞をプロトプラストにして壊し,細胞膜と細胞質成分に分画した所,EPRの43KDと45KDともに,両画分にみいだされ,膜画分をさらに庶糖密度勾配達心に分けると,別々の膜画分に回収された。このことは、45KDは43KDの前駆体である可能性を示した。 2。酵素誘導に伴う酵母細胞の微細構造変化。 誘導条件に移し経時的に採取した細胞について,急速凍結置換法による微細構造の電子顕微鏡観察をおこなった。誘導30分で,原形質膜に近く夛くの電子密度の高い顆粒が出現し,これらは多糖類染色法で染まった。抗proteinase抗体をアフィニティ精製して、免疫電顕法による観察をおこなった所,これらの高電子密度顆粒上に金コロイドの沈着がみられ,EPRの細胞内局在を示すことができた。 3。酵素誘導条件下における細胞の増殖形態について、光学顕微鏡による観察をおこなうための準備をはじめた。すなわち,Zeiss倒立型顕微鏡を購入し,これにニュ-ビコンカメラを備えて画像処理システム(DVS3000)(浜松ホトニクス)を接続して,顕微鏡画像の解析を始める準備をおこなった。
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