研究概要 |
WGA結合タンパク質の部分アミノ酸配列(Val-Ser-Ser-Ile-Asp-Asn-Ile-Phe-Arg-Val-)から2種類のオリゴヌクレオチドプローブを合成し、バフンウニ精巣cDNAライブラリーから72のクローンをスクリーニングした。この中の50クローンについてEcoRI,KpnI,BamHI消化し、最もクローン数の多い2.3kbのインサートを持つクローンについて塩基配列を決定した。その結果、このクローンの総塩基数は2264で、塩基配列から予測されるタンパク質は523残基のアミノ酸で構成され、ホモロジー検策の結果、ラットのH^+-ATPaseのβ-サブユニット85%の相同性があった。また、Arbaciapunctulata及びStrongylocentrotuspurpuratus精子の膜結合性グアニル酸シクラーゼcDNAの塩基配列により、細胞外領域に対する44mer細胞内領域に対する45merのオリゴヌクレオチドプローブを作成し、これを用いてバフンウニ精巣cDNAライブラリーから6のポジテブクローンを得た。この中で最も大きいインサートcDNA(4.3kb)を持つクローンをサブクローニングし、その塩基配列を決定した。このcDNAの総塩基数は4171でこの塩基配列から予測されるタンパク質は1125残基のアミノ酸で構成されるもので、S.purpuratus精子グアニル酸シクラーゼと97.4%,A.punctulate精子グアニル酸シクラーゼと77.5%の相同性があった。さらに、ウシ網膜cGMPホスフォンジエステラーゼのcDNAの塩基配列(2163-2204)に相当する42merのオリゴヌクレオチドプローブを用いてバフンウニ精巣cDNAライブラリーから8クローンをスクリーニングし、現在これらのcDNAの塩基配列の決定を進めている。
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