研究分担者 |
宮城 俊作 千葉大学, 園芸学部, 講師 (60209872)
藤井 英二郎 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40125951)
田代 順孝 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20188238)
赤坂 信 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (30143267)
田畑 貞寿 千葉大学, 園芸学部, 教授 (20009715)
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研究概要 |
都市の発展とともに周辺地域の森林や農地など緑被のオープンスペースが都市的土地利用に変容し,地域の環境悪化の一因になっている。こうした都市周辺地域における緑地の保全・整備手法に関するシステムに焦点をあてて,各研究分担者が研究を進めた。広域の視点からは,田代が東京をはじめ対照としてパリ,ロンドンの大都市における25km圏の樹林地,農地,公園など緑地の分布構造を地図情報の分析から把握し,これらの都市の特徴を明らかにした。また,田畑は市街地縁辺部の田園景観や歴史的景観の喪失,土地利用秩序の混乱に対し,田園景観の保全・活用に関する論理の整理を行った。この成果は,本年度の第29回国際造園学会で報告した。田園地帯の変容と環境に対しては,藤井が次第に都市化が進行した地域である千葉県北西部などで調査を進めてきたが,こうした地域における残存緑地の特性とその再評価を行い,結果を基に緑地を中心とした環境の再構成をまとめた。都市周辺地域での計画的都市建設における緑地整備に関しては,宮城が緑地計画論の視点で多摩ニュータウン東部地区の緑地整備計画を対象に分析し,緑地計画プロセスにおいて空間スケールのレベル設定と各レベルでの整備方針を明確化するとともに,それらの相互の関連性を空間形態に展開することの有効性を明らかにした。緑地は古くからレクリエーション活動に利用され,その一つとして江戸期には狩場が諸所に存在した。それらの場所の多くは,今日都市化して土地利用的には変容してしまっているが,土地利用変化や地域社会の関連を赤坂が分析を重ね,東京を中心に千葉県など一帯の狩場の立地状況を明らかにした。また近年のレクリエーション利用の形態としては,丘陵地や里山でゴルフコースの開設が盛んな点に着目し,油井が近畿地方2府4県を対象にゴルフコースの開設状況や分布特性を調査分析し,開発ブーム期,府県別特徴などを明らかにした。
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