研究課題/領域番号 |
02404017
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
矢野 友久 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (80032085)
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研究分担者 |
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
山根 昌勝 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (50032066)
竹内 芳親 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90032094)
稲田 勝美 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (50193553)
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キーワード | 水蒸気回収 / 塩類集積 / 塩水灌漑 / 耐塩性 / 土壌改良剤 |
研究概要 |
研究実績の概要を要約すると次のようである。 1)負圧差灌漑下の水消費に対する被覆の効果、水蒸気凝結回収による節水効果、増水器による自然エネルギ-利用に関する実験を行った。水蒸気回収に関して、飽和空気温度と冷却面温度の差と凝結回収水量の間には直線的な比例関係があることが認められた。 2)地下水位一定の砂丘砂とマサ土の土壌カラムを3段階の高温低湿条件下に配置して、裸地および植生条件の土壌中における塩類集積機構を検討した。土壌中の集積塩類量は、地下水位、蒸発散量、水分量等に大きく左右された。また、土壌カラムの表面付近では、塩類集積に伴って、マトリック・ポテンシャルの変化は少ないが、浸透ポテンシャルの減少が認められた。 3)土壌水の塩分濃度が蒸散に及ぼす影響を明らかにするために、大豆を対象作物とした塩水灌漑実験を行った。塩水は、NaClとCaCl_2の混合で1000ppm〜15000ppmの濃度範囲を用いた。清水灌漑に対する塩水灌漑における蒸散量の比が、マトリック・ポテンシャルと浸透ポテンシャルの和である全ポテンシャルの減少とともにほぼ指数関数的に減少することを明らかにした。 4)ヒエ、ソルガム、パ-ルミレットおよびトウモロコシの栄養成長期に水分欠乏処理を行い、葉の浸透調整能力が乾燥耐性の種間差異の指標となることを明らかにした。また、イネ科作物6種類、マメ科5種類を異なるNaCl濃度の灌漑水を用いて栽培し、生育量と体内無機成分含有率の関係から、耐塩性に種間差が生ずる原因を明らかにした。 5)降雨遮断環境下でホウレンソウ、パクチョイを対象作物として、土壌改良剤や高分子吸収性樹脂を用いて、塩水灌漑等の灌漑実験を行った。ホウレンソウは海水35倍希釈液(NaCl 1000ppmに相当)またはNaCl 1000ppm灌漑水区で生育がよく、増収となった。海水17.5倍希釈液(NaCl 2000ppmに相当)またはNaCl 2000ppm灌漑水区では生育が抑えられた。
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