研究分担者 |
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
山根 昌勝 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (50032066)
竹内 芳親 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90032094)
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研究概要 |
再生紙利用のペーパーマルチの利用に関する実験を行い,再生紙は,反射率が高く,熱伝導性が低く,地温変化を抑制する保温効果を有すること,また,表面に墨汁を塗布することによって,保温効果を微調整できることを明らかにした。しかし,水蒸気を透過させるため,保水効果はあまりなく,蒸発は裸地の9割程度であった。 地下水深が砂丘15〜30cm、マサ土25〜40cmを対象にした一次元モデル研究を行った結果、蒸発日数に伴って、土壌面蒸発並びに蒸発散速度が減少し、裸地及び植生下とも土壌面付近に顕著な塩類集積が生じる特性がみられた。塩類集積の特性は、特に、砂丘砂の場合よりマサ土において表層付近で増加する傾向がみられた。 淡水灌漑に比べて塩水灌漑における蒸散量は減少し、その減少傾向が土中塩分濃度の指数関数で近似できることを明らかにした。また、作物の根による吸水を考慮した不飽和土壌中における水と塩の移動の数理モデルの構築を試みた。本モデルによって、塩類集積に関する実験結果をほぼよく再現できることを明らかにした。 半乾燥地において要求される草種の耐乾燥性、耐塩性の関係を明らかにするため、砂土を充填したポットを培地として、土壌水分は含水比の上限を10%及び3%の2水準、水質はNaClとCaCl_2の塩水0〜150mMの4水準で実験した。当初供試した8草種のうち2種は中断、6草種については、生育量、蒸散量など草種間に強弱の差異が認められた。 ホウレンソウの発芽に及ぼすNaClの影響について調査を行った。その結果、NaCl存在下では、ホウレンソウの種皮を除いた無果皮辺の発芽がよい傾向を示し、NaClの濃度200me/lの高濃度下においても84.7%と高い発芽率であった。これに反し、有果皮辺は34.0%と低く、果皮の有無とNaCl濃度に深い関係のあることが示唆された。
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