研究概要 |
平成5年度の計画に従って以下の成果を得た。 1)コンデション培養液と非共培養系での牛IVF卵子の培養について、顆粒膜細胞との共培養系から得られたa)コンデション培養液とb)10,50,100μM2-メルカプトエタノール添加、血清またはc)無血清+インリン培養液を用い、牛IVM、IVF卵子の培養を行った結果、共培養系を対照区とした発生率に対するa)b),c)の培養液での発生率は有意差がなかった。すなわち、牛IVF卵子は50μMメルカ゚プトエタールを添加した無血清TCM199+インシュリン(完全合成培地)でも充分に正常な胚盤胞に発生し得ることが明らかになった。 2)ラット受精卵子の無血清発生用培養液の開発について、前年度で体外での発生阻害の主要因の見透がつき、引き続いて解析した結果、1〜2細胞期にかけての燐酸イオンへの曝露とその時間帯によって発生阻害の起こることが明らかになった。その結果として、燐酸イオンを除いた培地であれば阻害されず、しかも燐酸除去培地にグルコースを添加して培養すると割球数が多い正常胚盤胞が得られた。
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