研究課題/領域番号 |
02404019
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 悠紀臣 北海道大学, 獣医学部, 教授 (80206218)
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研究分担者 |
小野 悦郎 北海道大学, 獣医学部, 助手 (00160903)
首藤 文栄 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (60001533)
桑原 幹典 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10002081)
喜田 宏 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10109506)
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キーワード | ニュ-カッスル病ウイルス / 抗原性 / 病原性 / HN糖蛋白 / F糖蛋白 / 結晶化 / 三次元構造 / 機能 |
研究概要 |
日本、香港、中国、台湾およびザンビアで分離されたニュ-カッスル病ウイルス(NDV)の抗原解析を開始した。 強毒、中等毒および弱毒NDV標準株について、鶏胎児致死平均時間、1日令雛に対する脳内接種毒性および6週令雛に対する静脈内接種病原性試験を実施した。さらにこれらのNDVを鶏に実験感染させて、その病原性を調べるとともに、培養細胞における増殖能を検討した。これらの中で、Komarov株は鶏に対して病原性を示さなかったが、一方、MDBK細胞ではトリプシンを加えなくとも増殖し、強毒株と同様にプラ-クを形成した。Komarov株のF糖蛋白の開裂部位には2つの連続する塩基性アミノ酸配列が認められ、強毒株と同じ易開裂型であることが明らかとなった。Komarov株は鶏胎児の脳組織培養および鶏リンパ球培養における増殖能が強毒株より劣っていた。これらの成績は、NDVの毒力にはF糖蛋白分子の解裂能の他に、神経細胞およびリンパ球に対する親和性が関与することを示唆している。 NDVの糖蛋白の立体構造を決定するために、強毒株の大量培養精製を開始した。蛋白分子の三次構造をX線回折法によって決定するためには、純度の高い標品を結晶化する必要がある。エンベロ-プ糖蛋白は高度に精製しても、その疎水性部分を除去しないと結晶化できないので、各種プロテア-ゼを用いて最も有効なHN糖蛋白の分離法を検討中である。またF糖蛋白はその量がウイルス粒子上にわずかしかないことおよびウイルスから分離すると高次構造が損なわれることが明らかとなった。従って、F遺伝子をBaculovirus ベクタ-に導入し、昆虫の細胞で発現させて、これを分離精製して結晶化する計画である。
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