研究課題/領域番号 |
02404019
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 悠紀臣 北海道大学, 獣医学部, 教授 (80206218)
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研究分担者 |
伊藤 寿啓 北海道大学, 獣医学部, 助手 (00176348)
小野 悦郎 北海道大学, 獣医学部, 助手 (00160903)
首藤 文栄 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (60001533)
桑原 幹典 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10002081)
喜田 宏 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10109506)
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キーワード | ニュ-カッスル病ウイルス / 抗原性 / 毒力 / 渡り鳥 / 粘膜免疫 / 経口ワクチン / HN糖蛋白 / 結晶化 |
研究概要 |
1991年に九州でニワトリから分離されたニュ-カッスル病ウイルス(NDV)2株、同年に北海道で渡り鳥の集合湖沼の1つである宮島沼の水から分離されたNDV1株ならびにアラスカのカモおよびガンの糞便から分離されたNDV62株の抗原性と毒力を検討した。ニワトリ由来の2株および沼水由来の1株の抗原性はNDV標準株とほとんど同一であった。これら3株は何れも強毒で、驚くべきことに、沼水から得られたNDVが最も強い毒力を示した。アラスカの水會由来株は抗原性に基づいて3群に大別された。うち10株は強毒で、何れもワクチン株と異なる抗原性を示した。以上の成績は渡り鳥がNDVを維持、運搬、散布していること、さらにワクチン株と異なる抗原性のNCVが家會に導入され得ることを示唆している。 粘膜感染病に対する免疫の強化法の確立に資するため、不活化NDVおよびこれにポツリヌス毒素あるいは百日咳菌線毛の血球凝集素を添加したワクチンを異なる経路でラットおよびニワトリに接種して、免疫賦与効果を比較した。鼻腔内あるいは腸管内にワクチンを接種した動物においても、呼吸器および腸管の両粘類にIgA抗体産生細胞の活性化が認められた。この成績はNDの経口ワクチンの有効性を示唆している。免疫原の構築およびキャリア-の検討ならびに感染防御試験を継続している。 NDV糖蛋白の三次構造の解明のため、HNおよび下蛋白を精製し、可溶化する条件を確立した。精製HN標品をαーキモトリプシンで消化することによって、疎水性部分を欠く、分子量65Kの可溶性産物を得た。これにポリエチレングリコ-ルと高モル濃度の燐酸緩衝液を加え、hanging drop法で結晶化を試みた。2週間で微細な方式結晶が形成された。X線回析に供し得る結晶に成長させる条件を検討中である。
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