研究課題/領域番号 |
02404021
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 國太郎 東京大学, 医学部(医), 教授 (10010034)
|
研究分担者 |
岡戸 晴生 東京大学, 医学部(医), 助手 (60221842)
岡村 康司 東京大学, 医学部(医), 助手 (80201987)
|
キーワード | 神経分化 / 細胞間相互作用 / 〔Ca^<2+>〕i / チロシンキナ-ゼ受容体 / ギャップ結合 / Naチャネルクロ-ン / 共焦点顕微鏡 |
研究概要 |
マボヤ・アカボヤの分裂抑制8細胞胚から単離した動物半球頭側割球a_<4ー2>は、(1)幼生の予定神経域を含むが,単独培養すると表皮型細胞に分化し、(2)正常胚の襄胚初期の時点での(a)予定脊索割球A_<4ー1>との接着、あるいは(b)蛋白分解酵素処理により神経型細胞に分化する。 誘導時点における細胞内情報伝達機構を明らかにする目的で、割球a_<4ー2>の細胞内Caイオン動態を光学的に計測したところ、神経誘導と積極的に関連するCaイオン濃度の上昇は見られず、Caイオン以外のAキナ-ゼ、Cキナ-ゼ等の活性化因子をもちいて実験を行ったが、これらキナ-ゼの関与も証明できなかった。しかし細胞増殖、分化などに対する作用によって最近注目されているチロシンキナ-ゼ受容体については、塩基性FGFがこのa_<4ー2>割球の神経化に有効で、その受容体の関与が示唆された。また細胞間相互作用の一つの要因として早くから注目されている胚細胞間にみられる強力なギャップ結合チャネルの動態も、単離a_<4ー2>・A_<4ー1>割球系を用いて光学的手法を利用して解析したところ、誘導性分化の要因というよりも結果としての結合の消失が明らかとなった。転写活性を定量的に解析するために、神経分化にともなって特異的に発現する分化型Naチャネルのクロ-ニングを行い成功した。このNaチャネルmRNA発現の胚における空間分布とその神経誘導時点における細胞間相互作用の関連を解析する目的で、まず8細胞胚の時点でa_<4ー2>割球およびA_<4ー1>割球にそれぞれ異なる細胞系統マ-カ-となる蛍光色素を注入、正常胚における予定神経域すなわち被誘導割球である動物半球頭側割球a_<4ー2>の細胞系統と予定脊索領域すなわち誘導割球である植物半球頭側割球A_<4ー1>の細胞系統との接着状況を共焦点顕微鏡を用いて観察した。
|