研究課題/領域番号 |
02404025
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
|
研究分担者 |
村山 典恵 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90219949)
島田 美樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10196488)
永田 清 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80189133)
山添 康 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00112699)
|
キーワード | チトクロ-ムPー450 / 初代培養肝細胞 / 酵素誘導 / 成長ホルモン / 甲状腺ホルモン |
研究概要 |
ラットにフェノバルビタ-ルを投与するとPー450b(P450IIB1)、Pー450e(P450IIB2)およびPー450_<6β>(Pー450IIIA)が誘導され、肝におけるこれら分子量の含量が増加する。これら分子量はいずれもin vivoにおいて成長ホルモンおよび甲状腺ホルモンによる調節を受けているが、その分子レベルでの発現調節の機構は不明である。そこで無処置雄性ラットからコラゲネ-ス潅流法を用いて単離肝細胞を調製し、腫瘍細胞より調節したマドリゲルをコ-トしたディッシュ上でWaymouth培地を用いて、肝実質細胞を培養しフェノバルビタ-ルによるPー450誘導を調べた。その結果、これら3分子種はいずれもフェノバルビタ-ル添加によってその含量が著しく増加し、殊にPー450bの含量は対照に比して100倍以上も増加した。さらにフェノバルビタ-ルによるこれら3分子種の誘導に対する成長ホルモンおよび甲状腺ホルモンの影響を調べたところ、成長ホルモンはこれら3分子種の誘導をいずれも生理的濃度域において抑制した。また、甲状腺ホルモンのトリヨ-ドチロシンはPー450bおよびPー450eを抑制した。しかしながら、in vivoの場合とは異なりPー450_<6β>の発現は抑制しなかった。以上の結果から用いたホルモン無添加ーマドリゲル培養系は肝チトクロ-ムPー450のin vivoにおける薬物あるいは内分泌ホルモンによる変動を反映する良い系であることが示された。またホルモン添加に対してPー450bおよびPー450eは生理的濃度域で変動が認められたことから、これらPー450の遺伝子の5'側上流のホルモンおよびフェノルバルビタ-ル感受性領域を決定する実験に本単離肝細胞培養系を使用できるものと予想され、現在遺伝子の導入に向け、実験を行なっている。
|