研究概要 |
(1)ヒトATP合成酵素βサブユニットの転写制御 本遺伝子の5'上流領域で転写に関与する領域が同定するためにDNaseエフットプリンティング法により核因子の結合部位を見い出し,P,Q,R,S,T,V,W boxと命名した。PCR法によってその領域の塩基を変換し、CATアッセイ法によってその塩基配列の役割を明らかにした。Q,R,T boxはそのいづれかを変化させても転写は完全に停止した。また、W.box,W'box(類似配列)はその二つの配列を同時に変化させると転写は完全に停止した。QRTboxWWboxは転写に必須な領域であることが判明した。 (2)ヒトATP合成酵素αサブユニット、γサブユニット遺伝子のクロ-ニング ミトコンドリアタンパク質の協調的発現機構を明らかにするために、上記の2つの遺伝子をクロ-ニングし塩基配列を決定した。 (3)ヒトミトコンドリア転写制御因子(mt TF1)の遺伝子のクロ-ニング ミトコンドリア遺伝子の転写制御因子は核にコ-ドされておりその中の一つのmtTF1のゲノム遺伝子をクロ-ニングした。 (4)トランスジュニックマクスの作製 ヒトATP合成酵素の5'上流とβーgalactosidase遺伝子を接続し、マウスの受精卵に注入した。生まれたマウスの尾からDNAを抽出し、βーgalactosidase遺伝子がマウスゲノムへはいり込んでいることを確認した。
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