研究課題/領域番号 |
02404032
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平野 俊夫 大阪大学, 医学部, 教授 (40136718)
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研究分担者 |
改正 恒康 大阪大学, 医学部, 助手 (60224325)
松田 正 大阪大学, 医学部, 助手 (20212219)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | インターロイキン6 / 自己免疫疾患 / 慢性関節リウマチ / シグナル伝達 / 受容体 |
研究概要 |
インターロイキン6(IL-6)遺伝子異常発現による免疫異常症発症機構と、その治療法を開発する目的で以下の点を明かにした。 1.HTLV-1由来p40taxがIL-6mRNA発現を誘導する。このp40taxによるIL-6遺伝子発現誘導は、IL-6プロモーター5'上流のNF-κB結合サイトを介しており、NF-κB様DNA結合蛋白の活性化を介して起こることを明かにした。 2.慢性関節リウマチ(RA)患者由来滑膜細胞は、IL-6プロモーターを活性化しうる何らかのトランスアクチベーターを有していることを明かにした。 3.上記トランスアクチベーターをコードするcDNAをクローニングするためのアッセイ系を確立した。本アッセイ系では、p40taxをコードするcDNAを100〜200倍に希釈しても、IL-6プロモーター活性を検出可能である。本アッセイ系を利用して、RA組織から目的のトランスアクチベーターのクローニングを行っている。 4.RA患者骨髄ストローマは、IL-6産生以外にもプレB細胞の増殖支持能が亢進している。この原因は、何らかの膜蛋白の異常発現であることを明かにした。我々のRA発症機構の仮説が正しければ、この膜蛋白をコードする遺伝子の発現もIL-6遺伝子と同様の機序で誘導されている可能性がある。 5.IL-6受容体を介するシグナル伝達機序の解析 IL-6による複数のシグナル伝達がレチノイ酸によって選択的に阻害されることを示した。又、junB発現に至るシグナル伝達経路は、Cーキナーゼ、Aーキナーゼ、Ras、Rafを全く含まず、未知のものであることを明かにした。これらの研究によって、IL-6阻害剤開発の為の基礎的情報を得ることができた。
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