研究課題/領域番号 |
02404035
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
桜井 治彦 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051357)
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研究分担者 |
酒井 徹 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (50153846)
大前 和幸 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (60118924)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 半導体 / 毒性 / 有機液体珪素化合物 / テトラエトキシシラン / 動物実験 |
研究概要 |
年間消費量が最も多く、毒性に関する情報も少ないテトラエトキシシラン(TEOS,Si(OC_2H_5)_4)の雄性ICRマウスに対する毒性について検討した。 TEOS腹腔内投与実験では、LD50は500mg/kg程度、標的臓器は、腎尿細管であり、病理組織学的に急性尿細管壊死、尿細管間質性腎炎が観察された。 TEOS1000ppmを、1、2、4、8時間曝露した急性曝露実験では、4時間のLC50値は1000ppm以上、標的臓器は腎尿細管および鼻腔粘膜であった。200、100、50ppmのTEOSを、6時間/日、5日間/週、2週間または4週間曝露した亜急性曝露実験では、50ppm曝露群で腎尿細管への影響は見られなかったが、鼻腔粘膜の炎症像は観察された。これらの実験結果から、職業性曝露においては、現在の許容濃度である10ppm以下に厳しくコントロールする必要があり、TEOS曝露作業者の腎機能について長期的観察をする必要があることが、明らかになった。 TEOS腹腔内投与による腎への影響を病理組織学的・経時的に追跡した実験では、投与後12時間以内に腎尿細管の障害が発生し、3日後には尿細管の修復過程が観察され、2週間後には尿細管間質腎炎となった。
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