研究課題/領域番号 |
02404036
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 清 東京大学, 医学部(病), 教授 (30167390)
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研究分担者 |
谷口 茂夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (50188380)
中尾 秀彰 東京大学, 医学部(病), 助手 (10159056)
野坂 和男 東京大学, 医学部(病), 助手 (70150274)
渡辺 貌 東京大学, 医学部(病), 助教授 (80158641)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | メサンギウム細胞 / 形質転換成長因子ーβ / 血小板活性化因子 / エンドセリン / カルシウム / 尿細管糸球体フィードバック |
研究概要 |
今回本研究で我々が得た知見は以下の通りてある。1)メサンギウム細胞は形質変換成長因子β(TGF-β)のmRNAを発現しており、その発現は牛胎児血清やCキナーゼにより刺激される。一方メサンギウム細胞で産生され上清中に放出されるTGF-βはほとんどが不活性な形である。TGF-βを投与するとメサンギウム細胞の増殖は抑制される。これらのことはメサンギウム細胞においてTGF-βがautocrine的に作用し、生理的、病態生理的に重要な役割を持つことすることを示唆する。2)一種類の血小板活性化因子(PAF)受容体がモルモットの腎に存在するが、これは皮質にもっとも豊富に存在している。3)クローン化された腎上皮細胞LLCPKlには一種類のPAF受容体が存在し、PAFは容量依存性にLLCPKl細胞において細胞内カルシウム濃度を上昇させた。以上の観察は腎においてPAFが作用し生理的に意義のある役割を持っていることを示唆している。4)エンドセリンーlは容量依存性に皮質および髄質の集合尿細管の細胞内カルシウム濃度を上昇させた。エンドセリンーlのmRNAはネフロン内で、糸球体の他には皮質および髄質の集合尿細管にのみ発現していた。また、エンドセリンーlの結合もやはり糸球体と集合尿細管にのみ認められた。これらはエンドセリンーlのネフロン内におけるautocrine/pracrine的な作用機構を想定させる知見である。5)培養メサンギウム細胞を用いた観察に基づき、我々は尿細管糸球体フィードバック機構における細胞間刺激伝達に関してメサンギウム細胞が重要な役割を持つとの仮説を提唱している。
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