研究概要 |
現在、研究を継続中であるが、肝細胞へのレトロウィルスを用いた外来遺伝子導入に関してはHepatocyte Growth Factor系を用いてることとし、共同研究者の坂田はこの研究のため2月に米国の国立衛生研究所に留学した。平成4年度は移植肝細胞の拒絶反応制御のためallogeneicの肝細胞移植を行い、種々の免疫抑制法の効果を検索した。今回検索したのは以下の16の方法である。1.control、2.FK506:1.0mg/kg/day、3.FK506:0.1mg/kg/day、4.ULTRA VIOLET(UV):1000J/m^2、5.Culture、6.Culture+UV、7.DEOXYSPERGUALIN(DSG):1.5mg/kg,8.DSG:3.0mg/kg、9.DSG1.5mg+FK506:0.1mg、10.FK506:0.1+UV、11.LEA-1:1mg/kg/day、12.ICAM-1:1mg/kg/day、13.ICAM/1+LFA-1,14.DSG:1.5mg+FK506:0.1mg長期投投与、15.FC506:1.0mgの長期投与、16.DSG:3.0mgの長期投与、の各群である。これらの免疫抑制効果を以下のminorとmajorの組織適合性の相違によるallogeneicな肝細胞移植モデルによって検索した。 1)Minorな組合せ(F334 or Fisher rat→Lewis rat):移植後14日目までの生着を認めたものはFK506 1.0mg、DSG1.5mg+FK0.1mg投与の2群のみであり、抗細胞接着分子であるLFA-1,ICAM-1,およびその組合せでの免疫抑制効果は見いだせなかった。2)Majorな組合せ(F334 or Fisher rat→ACI rat):同様にFK506、1.0mg投与群のみ14日以上の生着がえられ、短期培養、ultra violetもほとんど効果が認められず、allogeneicな肝細胞移植ではFK506の拒絶抑制効果が最も顕著であった。今後異種間の肝細胞移植での種々の免疫抑制剤の効果を検討する予定である。
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