研究課題/領域番号 |
02404050
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水戸 廸郎 旭川医科大学, 副学長 (60000981)
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研究分担者 |
稲垣 光裕 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80261410)
坂田 博美 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50235157)
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00204264)
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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キーワード | 肝細胞移植 / 脾臓内移植 / 免疫抑制 / 細胞接着因子 / 先天性代謝異常症 / 遺伝子導入 / 異種移植 / Hepatocyte Growth Factor |
研究概要 |
現在、分離肝細胞へのgene-engineeringによる細胞増殖能力の修飾については、肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor,HGF)および、Met gene(HGF receptor)の発現vectorを開発中である。平成5年度には、細胞接着分子であるI-CAM-1およびLFA-1に対するモノクローナル抗体を宿主ラットに投与し、移植肝細胞の脾臓内生着への効果を検討した。Donorには、F344ラット(RT1^<1V1>)、Recipientには、Lewis(RT1^1)を用いた。抗ラットICAM-1抗体(1A29)・抗ラットLFA-1抗体(WT1)はカプロイン酸で精製し、各ラットに1.0mg/kgを細胞移植後、連日5日間腹腔内に投与した。移植後、4、7、14日目に脾臓を摘出して組織学的に検討した。無処理群では、4日目までに全例拒絶された。抗ICAM-1抗体単独投与では、軽度の生着延長しかないが、抗LFA-1抗体単独では若干延長した。さらに両者を併用すると残存肝細胞数は増加した。しかし、14日目までには、全例拒絶され、これのみでは不十分であった。 アスコルビン酸(AsA)合成欠損ラット(ODS^<od/od>)を用いて、脾臓内肝細胞移植の効果を検討した。ODS^<od/od>ラット脾臓内に、アスコルビン酸合成能力を持つcongenic ODS^<+/+>ラットの分離肝細胞を移植した。移植後、6週目にrecipientラットに70%肝切除を行い移植肝細胞の増殖を刺激した。移植後、17週目までAsAをrecipientラットに投与し、以降AsA投与を中止した。移植をしなかったcontrol群では、AsA投与中止後5週以降に体重減少と出血傾向を全例に認め、9週以内に半数が死亡した。移植群は、半数のラットはcontrol群とほぼ同じ経過をたどった残りの半数はなんら症状をあらわさなかった。移植群のうち症状を示さなかったラット脾臓内肝細胞占拠率(18.3+/-3.9%)は、症状を示したラット脾臓内肝細胞占拠率(12.8+/-3.2%)より高く、治療効果は脾臓内肝細胞量に依存していた。
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