研究課題/領域番号 |
02404051
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
島崎 修次 杏林大学, 医学部, 教授 (90028689)
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研究分担者 |
行岡 哲男 杏林大学, 医学部, 助教授 (00182668)
松田 博青 杏林大学, 医学部, 教授 (50086518)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 脳圧 / 脳潅流圧 / 高張ナトリウム / 多発外傷 |
研究概要 |
本研究は圧の積分により時間因子を考慮した、脳圧、脳潅流圧の評価システムを作成することを第一の目標としている。そこで初年度(平成2年)は、既存の方法で脳室穿刺を行ないカミノ社デジタルモニタリングカテーテル(モデル110-4E)を挿入、圧をデジタルプレッシャーモニター(モデル420)で電気信号化し、これをひずみ圧力用アンプ(AP-601G)で増幅し、サーマルアイレコーダーで記録するシステムを開発した。今年度は増幅された電気信号を多用途積分ユニットにて平均化し、このデータをCPU(PC-9801)に入力し、フロッピーディスクに記録するシステムを作成した。この際、多用途積分ユニットでの平均化に際し、時定数の選定が問題となった。出血性ショックを伴う多発外傷患者においては、脈拍数が非常に不安定で、脈拍数が毎分150以上から60以下まで様々である。また、輸液及び輸血療法などで急速に脈拍が変化することある。このような症例では、時定数1秒にて平均化すると圧波形の変動が大きくデータのばらつきが大となり臨床的評価が困難であった。そこで平成3年度ではCPUでのデータ処理においてサンプリングタイムを任意に選定できるようにソフトを再設計した。脳圧、動脈圧、脳潅流圧を本システムにて計測、データ処理し至適時定数について検討した。この結果、時定数3秒が至適と判断し最終的ソフトを完成した。このソフトを用い現在まで頭部外傷を伴う重症多発外傷患者数例に高張ナトリウム輸液を投与し、システムの安定性と信頼性を確認している。対象患者が非常に重症であり早期に死亡し、高張ナトリウム輸液に関してまとまった臨床データは確認し得ず、(当初の4年計画の第3年度の段階として)症例の集積段階にある。当初の計画のごとく本システムの完成により、時間因子を考慮に入れた、脳圧、脳潅流圧の評価が可能となった。
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