研究課題/領域番号 |
02404052
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 一知 京都大学, 医学部, 講師 (90168435)
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研究分担者 |
森 千里 京都大学, 医学部, 助手 (90174375)
伏木 享 京都大学, 農学部, 助教授 (20135544)
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
戸部 隆吉 国立京都病院, 院長 (70025641)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | EGF / 膵再生 / ポリビニ-ルアルコ-ル / ハイブリッド型人工膵 / 移植 / 成熟ブタ分離ラ氏島 / 免疫抑制剤 / 胃切除後胆石 |
研究概要 |
(1)成熟ラットにおいて、膵切除後の残存膵再生機序と、Epidermal Growth Factor(EGF)との関連について検討したところ、膵切除後の残存膵において、腺房細胞のみならず、ラ氏島にもEGFレセプタ-の発現が認められたが、これは従来より議論の対象となっているラ氏島の再生に関する1つの貴重な情報を提供するものと考えられる。(2)メッシュで補強したポリビニ-ルアルコ-ルを用いた半透膜のチュ-ブの中に、ラットの膵より分離したラ氏島を封入して作製したハイブリッド型人工膵のin vitroにおける機能を検討したところ、グルコ-ス刺激に対して俊敏なインスリン放出反応を示した。さらにこの人工膵を、糖尿病ラットの腹腔内へ移動したところ、経静脈的糖負荷に対して糖尿病パタ-ンを呈していた血糖曲線は、移動後2週目後には、すでに正常パタ-ンに回復することが判明した。(3)屠殺場で得られる成熟ブタの膵臓から、常時、1gあたり4000〜5000個のラ氏島分離に成功しているが、in vitroにおける検討で、グルコ-ス刺激に対する用量反応性のインスリン分泌増加、およびperifusionにおける二相性のインスリン放出反応を観察し得た。さらに、分離成熟ブタラ氏島を、糖尿病ラットの門脈内へ移植したところ(異種移植)、血糖値の速やかな低下の後に、急性拒絶に基づく血糖値上昇がみられたが、免疫抑制剤(FK506+DSG)を投与することにより、5〜7日間にわたる血糖値低下の持続がもたらされ、分離ブタラ氏島のviablityが確認された。(4)胃切除患者48名を対象とし、胃切除前および胃切除後5年間におよぶprospective studyを施行した結果、胃切除後胆石発生の頻度およびその病態について、胆嚢機能や消化管ホルモン変動との関連のもとに検討することを成し得た。(5)Endothelinの膵微小循環や、膵内分泌に対する影響について検討し、新しい知見を得ることができた。
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