研究課題/領域番号 |
02404054
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
毛利 平 東北大学, 医学部, 教授 (60108503)
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研究分担者 |
佐藤 尚 東北大学, 医学部, 講師 (20114499)
小岩 善郎 東北大学, 医学部, 助教授 (80091685)
仁田 新一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (90101138)
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キーワード | 重症心不全 / 心筋保護 / 心補助法 / 振動 / 心保存 / 心筋粘弾性 |
研究概要 |
平成3年度は、主として以下の研究を行った。 1.物理的粘弾性測定による心筋保護のモニタ-法の開発について: 体外循環下に心停止液を使用して心停止とし、20ー200Hzの振動を心筋に加えつつ各周波数帯域における伝達関数を求めた。実験には雑種成犬を使用し、人心筋温により心筋保護の良好なものと不良なものとに分けた心筋温を常温程度に保った不良群では心停止時間の延長に従って高周波における伝搬の時相差および振幅の減少が認められ、不十分な心筋保護により、心筋の粘弾性が低下し、それが実験結果に反映されたものと思われた。実験回数の増加により、現象の再現性も確認し、もっとも安定してこの現象が検出される振動の周波数帯域は150Hz前後であることが判明し、心筋保護のモニタ-として利用出来る可能性が示唆された。 また浸漬保存心臓の保存効果 モニタ-方法の開発のために本法が応用可能か否か検討した。一般にUW液の保存許容時間は5ー6時間といわれているが、期を一にして保存心筋の粘弾性が低下する傾向が伺われ、本法が心保存のモニタ-としても応用できることが示された。 2.加振による不全心筋の収縮力増強法の開発について:加振による心拡張期コンプライアンスの上昇を通じて、心筋の収縮力が増強される現象は、正常心筋では観測された。現在、長時間心停止による不全心筋モデルに対する効果の有無について検討中であるが、体外循環が離脱不能な程の高度の不全モデル、および心拍数が減少している場合には補助効果が薄い傾向が伺われた。これについてもさらに実験回数を増加させて、振動の周波数、振幅などの至的条件を決定することと、どの程度の不全心筋に対してまで収縮力増強効果が認められるか、本法の限界を明らかにすることが、さしあたって次の研究目標である。
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