研究分担者 |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 助手
内ケ崎 新也 杏林大学, 医学部, 講師 (80146547)
前田 達浩 杏林大学, 医学部, 講師 (50210993)
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 助教授
小松 明男 杏林大学, 医学部, 助教授
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研究概要 |
従来より各種脳腫瘍の増殖能の測定をbromouridine(BUdR)を用い行っているが,本年度は手術時切除された31例を対象に解析した。次にBUdR,iodouridine(IUdR)に対するモノクロ-ナル抗体を用いて腫瘍細胞の二重染色を行い,新しいS期細胞検出法を検討した。一方各種染色法の比較においてABCーAPAAP(Fast blue)法,ImmunogoldーsilverーAPAAP(Fast red)法が2色の識別性という点で優れていた。 P53cDNA塩基配列の解読にともない,12のExon部分に分けられることがわかったが,この内Exon4及びExon8のアミノ酸に正常変異が認められている。この部分を中心にRFLPを検出出来る事がわかってきた。現在P53cDNAのこの部分を中心にしたSense primer(P53ー7)及びantisense primer(P53ー2,P53ー4)をDNA synthesizerにより作成しPCRによる各腫瘍のDNA cloningの準備を進めている。 Glucose輸送担体については既に発表されている5種類(GLUT1〜5)のヒトglucose輸送担体のcDNA塩基配列をもとにしてdegenerative oligonucleotide primerを作成した。この内GLUTー1は脳内微小血管,グリア細胞,神経細胞に検出され,GLUTー3は成人脳ではHippocampus及び小脳Purkinje細胞に証明された。今後この手法を用いグリア系腫瘍のglucose輸送体のcloningを行う。ラット腎λgt11cDNAライブラリ-より,cDNAクロ-ンK3を単離した。K3は既知のものと異なる新しい蛋白質をコ-ドしていた。この抗血清は,ラット脳ホモジネイトをTriton Xー114により分離した時,detergent phaseの50KDaの糖蛋白質に反応した。このような蛋白質は,細胞同志間の接着や,腫瘍細胞の浸潤に関わっていると思われる。
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