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1991 年度 実績報告書

脳腫瘍悪性度の原因究明と定量化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02404058
研究機関杏林大学

研究代表者

星野 孝夫  杏林大学, 医学部, 教授 (90010165)

研究分担者 佐和 弘基  杏林大学, 医学部, 助手 (80135912)
前田 達浩  杏林大学, 医学部, 講師 (50210993)
永松 信也  杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
小松 明男  杏林大学, 医学部, 助教授 (20225569)
キーワード脳腫瘍 / 成長解析 / モノクロ-ナル抗体 / 細胞細胞接着蛋白質 / がん抑制遺伝子 / 成長因子 / 糖輸送担体
研究概要

I.BUdRによる標識を行った脳腫瘍は既に50例を越え、更にBUdR、IUdRによる二重標識法によりグリオ-マでは、組織学的悪性度やLIに拘らず、Ts:平均9時間と計算された。しかし理論的倍化時間はLIと相関して幅広く分散する。細胞世代時間は、48時間以内と推論される。II.P53遺伝子は第17染色体短腕に存在する癌抑制遺伝子で、exon4部におこる正常アミノ酸変位の存在を利用して、PCRーRFLP法によるP53の欠落の有無を検出することができる。100人の血液の解析から、日本人では、欧米人に比しexon4部のHetero型が多く43%に見られることが判明した。33例の脳腫瘍のうち15例がHetero型であり、うち6例(40%)にP53遺伝子の欠落を証明できた。III.糖輸送担体(Glut)の脳腫瘍での発現を分子生物学的に検索し、ヒト星膠細胞腫では、Glutー1は、主に血管内皮細胞のluminal側に局在し、悪性になるとその染色性の低下あるいは消失が観察された。星膠、膠芽腫細胞にて最も発現しているGlutは、Glutー3であった。更に元来、脳組織ではみられないインスリン依存性のGlutー4の発現が認められた。IV.ヒトHistone Hー3蛋白質の塩基配列を基に、PCR法にて約400bpのDNA断片より、DNA及びRNAプロ-ベを作成した。これらのプロ-ベを用いた、Hー3 mRNA in situ hybridization法が、新しい増殖細胞同定法として有用であることを確認した。これと平行し細胞増殖蛋白質として核内に存在するNucleolinも抗血清を作成した。この抗血清は、Nucleolin蛋白質に対してmonoーspecificに反応する。ラット及びハムスタ-細胞では、この抗体は、核小体に強く反応することが示されている。V.細胞細胞接着蛋白質kー3の免疫組織学的局在をラット組織にて検討した。同時にKー3と免疫学的に類似性のあるCーCAM105の発現をラットC6グリオ-マ細胞に認めた。更に、CーCAM105のDNA,RNAプロ-ベを作成し、ラットC6グリオ-マに存在するCーCAM105のcDNAクロ-ニングを試みている。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Takao Hoshino: "proliferative potential of astrocytomas and glioblastomas" 脳腫瘍病理. 8. 163-166 (1991)

  • [文献書誌] 星野 孝夫: "脳腫瘍の細胞増殖能について" 病理と臨床. 9. 620-627 (1991)

  • [文献書誌] T Hoshino,S Ito,A Asai,M Sibuya,MD prados,BA Dodson,RL Davis CB Wilson: "Cell Kinetic analysis of human brain tumors by in situ double labelling with bromodesxy widine and ldodeoxyuridine" Int.J.Cancer. 50. 1-5 (1992)

  • [文献書誌] 星野 孝夫: "BrdU(bromodeoxyuridine)ー脳腫瘍への応用" 病理と臨床. 9. 826-867 (1991)

  • [文献書誌] 鎌田 孝一,佐和 弘基,佐藤 秀子,星野 孝夫: "in situ hybridization法を用いた増殖細胞野同定法" 医学のあゆみ.

  • [文献書誌] Takao Hoshino: "K Tabuchi (ed)“Biological Aspects of Brain Tumors"" SpringerーVerlag,Tokyo, 503 (1991)

  • [文献書誌] S Shibui,R Nishikawa,K Nomura,K Iwaki,T Maeda,T Hoshino: "K Tabuchi(ed)“Biological Aspects of Brain Tumors"" SpringerーVerlag,Tokyo, 503 (1991)

  • [文献書誌] K Nomura,T Hoshino: "II.Applications in clinical oncology.11.CNS Tumors(Adult)" In KD Bauer,RE Duque,TV Shankey(eds),“Flow Cytometry:Principles and clinical Application",Williams & Winkins,Baltimore,

  • [文献書誌] T Hoshino: "P Paosetti et al(eds)“NeuroーOncology"" Kluwer Academic Publishers,Dordrecht, 406 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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