研究課題/領域番号 |
02404059
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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研究分担者 |
小田 剛紀 大阪大学, 医学部, 助手 (20252645)
江原 宗平 大阪大学, 医学部, 助手 (40176780)
森本 吉春 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029573)
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40163571)
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キーワード | 変形性脊椎症 / 椎間板変性 / 疲労現象 / 繰り返し負荷 / 不安定性 / 構造破綻 / アテトーゼ型脳性麻痺 / 外科的治療 |
研究概要 |
1)繰り返す運動負荷の脊椎への影響を明かにするために、前年度に引き続き家兎腰椎椎体-椎間板-椎体単位に繰り返しねじり負荷を加えてその挙動を調査した。繰り返し回数の増加とともに一定の角度振幅によって観察されるトルクが漸減し、ある回数で急激に低下し破綻することが明かとなった。この破綻繰り返し回数とねじり負荷角度振幅の間に一定の対数式で示される関係が存在、これは1回の負荷での破綻と異なる力学挙動であることが示された。またトルクの漸減課程での荷重変位曲線の観察から単位としての不安定性増加が示された。破綻後の組織学的調査では、破綻部位は椎体成長軟骨帯であったが、椎間板内に線維輪層板状構造の乱れ、亀裂が存在し、脊椎機能単位における累積損傷(疲労特性)の一端が明かとなった。 2)45例のアテトーゼ型脳性麻痺に伴う頸椎症性脊髄症、神経根症に対する手術治療成績を評価した。従来の椎弓切除術では頸椎不安定性増大のための神経症状悪化、前方除圧固定術単独では移植骨の癒合不全が問題であった。前方除圧固定術に後方棘突起ワイヤリングの併用手術では、成績は優良あわせて64%であるが、20%で固定部の一下位椎間での脊椎症性変化進行に併う脊髄再圧迫のため再手術を必要としており、この点が問題であった。1988年以降に採用の後方固定を併用した椎弓形成術では術後成績は優良あわせて71%であり、隣接椎間での再圧迫も認められておらず、今回の手術法のなかでは最も良好な成績であった。以上の成績、経験をもとに手術法の選択だけでなく、術前術後の管理法、手術の時期等も含めて、本患者の外科的治療計画を提唱した。 3)本年度が最終年度で、これまでの研究を総括し、研究成果報告書を作成した。
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