研究概要 |
動物実験用プレ-ト及びコントロ-ル用プレ-トは既に実験に必要な数量を作製し、それらのプレ-トの単体での曲げ剛性の測定を行った。またアクリルチュ-ブ2本とプレ-ト、スクリュウを使用した骨折モデルを作製して、今回購入した骨等力学物性試験装置にて力学的解析を行い、コントロ-ル用プレ-トが動物実験において十分に対照として適切かどうかにつき検討した。この結果これら2つのプレ-トは上記骨折モデルにてほぼ同様の力学的特性を有することが判明し、現在以下の動物実験が進行中である。 動物実験ではすでに約30匹のウサギにこれらのプレ-トで固定術を施行した。一部については骨癒合が完成し、この骨を摘出し、力学的試験の試験片として両端をレジン固定後、冷凍保存している。その中から順に万能試験器で3点曲げ試験を行った後、標本の切り出し固定を行い、非脱灰のまま樹脂包埋しつつある。 この結果以下に述べる新たな知見が得られた。まず我々の作製したプレ-トの力学的特性については、スクリュウ穴周囲の桁によって、プレ-トの強度が強化されることが明らかとなった。その為、今までよりもプレ-ト自体の厚さを減じることが可能であり、我々のプレ-トの問題点である厚過ぎるという点につき今後改善の余地があることが示唆された。一方動物を使用した実験では軟X線写真にて早期から我々の作製したプレ-トはコントロ-ル用プレ-トに比べ、プレ-ト直下の仮骨の形成が著明に多く見られ、逆にプレ-ト直下の骨萎縮は少いことが観察された。これらの所見は骨折の骨癒合にとって有利な現象であると考えられた。尚,当初の予算より予定していた機器が安値にて購入できたため力学物性試験装置に附属する治具類,記録用レコ-ダ-を追加購入し、より精密な骨及びプレ-トの力学的測定を行いつつある。
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