研究概要 |
婦人の生殖可能年令の生体防禦機構のひとつとしての凝固・線溶キニン系と,それ以後の凝固・線溶キニン系を比較検討し,高齢化社会において,如何に対処するかを検索することを目的とした。 すなわち,『ヒトは,血管とともに老いる』といわれるが,女性ははたして,男性に比して,内分泌環境的に血小板の凝集に影響をうけやすいものが否か,月経周期と血小板機能などを測定してその関連を追求した。 【方法】 1)当短期大学部学生27名と,正常妊婦32名について,血小板数および血小板容積をBaKer810全血血小板計測装置にて測定し,その平均血小板容積(MPV),血小板中央値(MED)とを測定する。 2)血小板凝集能 WholeーBlood Agregometerにて全血凝集能をインピ-ダンスchannelにて測定した。また血漿による血小板凝集能も測定し,比較検討した。ADPの最終濃度は,5×10^<+6>M,Collagenの最終濃度は,2.5mg/mlである。 【成績】 1)血小板数および血小板容積について。 (1)血小板数についていえば,非妊婦人の血小板数は,卵胞期25.45×10^4pel,黄体期27.22×10^4pelを有意の差はなかった。 (2)容積については,卵胞期,黄体期に差はなかったが,妊娠末期において有意の増加を示した。 2)血小板凝集能について 斐妊婦のADP凝集能は9.8±3.4(Ω)であり,Collagen凝集能は17.0±4.8(Ω)であり,妊娠末期にはADP17.6±(Ω),Collagen凝集能32.5±4.6(Ω)と上昇した。エストロゲンとの関連について尚追求中である。
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