研究概要 |
(目的) 極小未熟児を管理する機会が増えてきている今日において、胎児・新生児の止血機構の生理と病理を正しく理解することは,きわめて重要である。今年度は、新生児仮死とDICの診断をアプガースコアによって行うことを目的とした。 (方法) 対象となった新生児は、正常新生児(アプガースコア8、9、10)36例と、仮死児(アプガー7以下)12例である。検査項目は,(1)TAT、(2)γ-γダイマー、(3)FDP、(4)フィブリノーゲン(5)血小板を臍帯靜脈血で測定のうえ,表の新生児DICスコアとの相関関係をみた。またSFMC(Soluble fibrin monomer index)をAgarose-gelfiltrationにて測定し、相関関係をみた。 (成績) 1)TATは、正常成人2.0ng/ml以下に対し、臍帯靜脈血では、14.6±4.2ng/mlと亢進像を呈し、仮死児では、140.6±21.0ng/mlとさらにその増加は著明であった。 2)SFMCとアプガースコアも逆比例の関係にあり仮死とDICの関係を証明することができた.
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