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1990 年度 実績報告書

レ-ザ-内耳手術の検討

研究課題

研究課題/領域番号 02404068
研究機関東京大学

研究代表者

野村 恭也  東京大学, 医学部(病), 教授 (30009948)

研究分担者 山岨 達也  東京大学, 医学部(病), 助手 (30220362)
菅沢 正  東京大学, 医学部(病), 助手 (00179110)
奥野 妙子  東京大学, 医学部(病), 助手 (90133082)
キーワード内耳手術 / アルゴンレ-ザ- / 耳石器 / 眼振
研究概要

アルゴンレ-ザ-を一側の卵形嚢斑に照射すると麻酔からさめた直後には麻痺性の自発眼振を生じたが1日後には自発眼振は全く認められなくなった。この時に右下、左下頭位で下向性の頭位眼振が確認された動物があった。この頭位眼振も翌日には消失した。1週後位から温度眼振反応の回復がみられた。
この間の耳石膜の変化を形態学的に観察すると、術後2日で感覚上皮は耳石とともに基底膜から離脱するが内リンパ腔全体に散らばることはなく感覚上皮直上に存在し、そこにマクロファ-ジの遊走がみられた。多数のマクロファ-ジに耳石がとりこまれ、消化されていく像が観察された。この結果、2週間後には耳石は全く消失してしまった。一方卵形嚢斑表面は一層の立方上皮で覆われ、10週後になると基底膜直下の結合織、神経、血管の退縮がみられた。
アルゴンレ-ザ-による耳石器の照射で最も特徴的なことは膜迷路が影響を受けず全く変化しないことである。外リンパ・内リンパ・膜迷路ともにレ-ザ-光がそのまま通過すると考えられる。このように内リンパ腔が正常のまま保たれるということは内耳の機能保全上特に大事である。そのため上述の如く、選択的に卵形嚢を破壊したモルモットでも外側半規管の機能が保たれ温度眼振反応が回復したのだと考えられた。
今回我々は顕微鏡装着型とハンドピ-ス型の2種類のアルゴンレ-ザ-を用いた。出力・照射時間・回数が同じであるが、スポットサイズのみ違うので、単位面積当りのエネルギ-が異なると考えられる。しかしどちらのレ-ザ-でも組織上の変化には大差がなかったので、どちらのスポットサイズでも膜迷路の変化はなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Okuno T,Nomura Y,Young YーH,Hara M: "Argon laser irradiation to the otolithic organ" Otolaryng Head Neck Surg. 103. 926-930 (1990)

  • [文献書誌] Nomura Y,Okuno T,Young YーH,Hara M: "Laser labyrinthectomy" Acta Otolaryngol. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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