研究課題/領域番号 |
02404069
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松尾 信彦 岡山大学, 医学部, 教授 (40033047)
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研究分担者 |
河西 庸二郎 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80211184)
白神 史雄 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (50187530)
大島 浩一 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (40176871)
松岡 徹 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10165780)
小山 鉄郎 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (50135993)
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キーワード | 汎網膜光凝固 / 脈絡膜組織血流量 / 水素クリアランス法 / 網膜循環時間 / 増殖型糖尿病性網膜症 / 蛍光眼底造影 / 画像解析 |
研究概要 |
(1)汎網膜光凝固後の脈絡膜循環の研究:アルゴンブル-グリ-ンレ-ザ-の488ー514nmの波長を用い、500μm,0.2秒、100mWの条件下で450ー500発、正常有色家兎の後極部網膜を除いて、一回で汎網膜光凝固を行った。光凝固の前後で、非凝固部である後極部と凝固部である赤道部の脈絡膜組織血流量を水素クリアランス法で測定した。後極部非凝固部位の脈絡膜組織血流量は、対照で205.5±12.2ml/min/100g(n=9)、光凝固直後217.5±16.1ml/min/100g(n=7)、光凝固24時間後233.3±19.6ml/min/100g(n=7)、光凝固1週間後199.8±16.8ml/min/100g(n=7)となり、24時間後の血流量のみ、危険率1%で有意に増加した。赤道部凝固部位の脈絡膜組織血流量は、対照で200.0±9.1ml/min/100g(n=8)、光凝固24時間後183.1±30.7ml/min/100g(n=6)となり、有意差を認めなかった。光凝固前後で眼圧と血圧に変化を認めなかったことから、非凝固部における一時的な脈絡膜血管の拡張が推測された。 (2)糖尿病眼の網膜平均循環時間に対する光凝固の影響:ビデオ蛍光眼底造影と画像解析による網膜循環時間の測定システムを用いて、汎網膜光凝固術を行った増殖型糖尿病性網膜症眼13眼を対象に術前、術後2週、1カ月、3ヵ月、6ヵ月における鼻上側の網膜平均循環時間を測定した。その結果、光凝固術前の網膜平均循環時間は5.67±1.40秒で、術後2週では4.29±0.89秒、1ヵ月では4.29±0.88秒、3ヵ月では4.03±0.86秒、6ヵ月では3.61±0.31秒であり、術後比較的早期より網膜平均循環時間が有意に短縮した(p<0.01)。これより汎網膜光凝固術を行うことにより、増殖型糖尿病性網膜症眼の網膜平均循環時間が術後比較的早期から短縮することが判明した。
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