• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

骨代謝における細胞間・細胞基質間の相互作用に関する細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02404071
研究機関新潟大学

研究代表者

小澤 英浩  新潟大学, 歯学部, 教授 (60018413)

研究分担者 中村 浩彰  新潟大学, 歯学部, 助手 (50227930)
入江 一元  新潟大学, 歯学部, 助手 (70223352)
江尻 貞一  新潟大学, 歯学部, 助教授 (40160361)
キーワード破骨細胞 / 骨芽細胞 / 細胞間相互作用 / ビタミンDレセプタ- / 糖鎖 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 骨細胞 / カテプシン
研究概要

破骨細胞の分化・活性化と骨芽細胞系細胞の相互作用を観察する目的で、昨年度に引き続き以下の実験を行い新知見を得た。(1)脾細胞と骨芽細胞をビタミンDの存在化で共培養し、多核巨細胞の形成過程を微細構造学的、細胞化学的、オ-トラジオグラフィ-的に検索した。その結果、形成された多核巨細胞はTRACPase陽性、カルシトニンレセプタ-を持った破骨細胞様細胞出あり、その形成には骨芽細胞の直接接触による支持が必要であることを明らかにした。(2)骨芽細胞におけるビタミンDレセプタ-(VDR)の局在とその細胞内移動経路について免疫細胞化学的に検索した。その結果、VDRは主として骨芽細胞の核、とくにヘテロクロマチンに一致して局在し、細胞質内では微小管に沿って核内へ輸送されることをin vivo,in vitroで明らかにした。(3)破骨細胞の分化・活性化と骨芽細胞系細胞の接触と細胞膜並びに細胞周辺における糖鎖の関係を検索する目的で、糖鎖の局在をレクチン細胞化学的に、また免疫細胞化学的にヘパラン硫酸プリテオグリカン(HSPG)の局在を免疫細胞化学的に観察した。その結果、ConA,PNA,WGA,UEAー1,MPAのレクチン反応は両細胞の接する細胞膜上に強く認められ、特に細胞突起を介して接している部位では被覆小窩の形成を伴った強いレクチン反応が観察された。HSPGの免疫細胞化学においても、両系列の細胞膜面、特に両細胞が薄い細胞外基質を挟んで接する部位に一致してHSPGの局在が顕著であった。これらの結果は、糖鎖が両細胞の相互認識,成長因子など各種サイトカインの局所への貯蔵などに関与している可能性を示唆している。(4)破骨細胞と骨細胞の相互関係についても検索し、骨吸収過程で骨細胞は破骨細胞と直接接触を保つこと、そこには細胞間接触構造とそこに近接して複覆小窩の形成が多いことが明らかにされた。しかも、それらの骨細胞の多くはライソソ-ム顆粒にカテプシンB,Lが局在することが免疫細胞化学的に明らかにされた。これらの結果は両細胞が接触を介して情報交換を行い、骨細胞も骨吸収を補助している可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 小澤 英浩: "骨代謝のしくみと骨の細胞群" 診断と治療. 78. 2107-2111 (1990)

  • [文献書誌] 小澤 英浩: "Bone Cellsの微細構造と機能" 日本臨牀. 12. 2736-2741 (1990)

  • [文献書誌] Mohri,T.,K.Hanada & H.Ozawa: "Coupling phenomena between bone resportion and formation on bone remodeling in orthodontic tooth movement." J.Bone Mineral Metab.9. 57-69 (1991)

  • [文献書誌] 入江 美華,入江 一元,中村 浩彰,江尻 貞一,小澤 英浩: "破骨細胞の分化に関する微細構造学的・オ-トラジオグラフィ-的研究" 日本骨代謝学会誌. 9. 47-53 (1991)

  • [文献書誌] Amizuka,N and Ozawa,H: "Intracellular localization and translocation of 1 α,25,ーdihydroxyvitamin D receptor in osteoblasts." Arch.Histol.Cytol.55. (1992)

  • [文献書誌] Nakamura,H and Ozawa,H.: "Characteristic localization of carbohydrates in osteoclasts by lectin cytochemistry." Bone. (1992)

  • [文献書誌] Ejiri,S & H.Ozawa: "Aerospace" University Research Center,Nihon University, 615 (1990)

  • [文献書誌] 小澤 英浩,江尻 貞一,中村 浩彰,入江 一元,入江 美華,網塚 憲生: "骨代謝調節因子ー最近の進歩" 羊土社, 189 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi