研究課題/領域番号 |
02404072
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 茂彦 岡山大学, 歯学部, 教授 (50034161)
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研究分担者 |
大山 和彦 岡山大学, 歯学部, 助手 (20169080)
小山 英樹 岡山大学, 歯学部. 附属病院, 助手 (30186829)
野地 澄晴 岡山大学, 歯学部, 助手 (40156211)
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助手 (00144775)
山本 敏男 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30107776)
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キーワード | 骨形成 / in situ hybridization / 共焦点レ-ザ-顕微鏡 / レチノイン酸 / レチノイン酸レセプタ- / 骨誘導因子 |
研究概要 |
ニワトリ肢の骨形成過程をモデルとして、分子生物学的および形態学的手法を用いて骨形成過程を研究してきた。骨形成過程は多くの遺伝子の複雑な発現調節による細胞の分化過程としてとらえられるが、とくに骨の形態を決定する過程においては、ホメオボックス遺伝子が重要な役割を担っていることが、代表者らの本年度の研究から明確になってきた。ニワトリ肢の形成における3次元構造は、基本的には3軸つまり遠近軸、前後軸、背腹軸の決定による構築が始まる。それらの軸の決定において、遠近軸はChoxー1クラスタ-に属するホメオボックス遺伝子群の、また前後軸はChoxー4クラスタ-に属するホメオボックス遺伝子群の各発現パタ-ンにより決定されることが、代表者らや他のグル-プによって発見された。背腹軸に関してはまだ解明されていない。これらのホメオボックス遺伝子発現にレチノイン酸やペプチド成長因子が関与しており、代表者らはレチノイン酸レセプタ-、FGF,FGFレセプタ-、アクチビン、アクチビンレセプタ-、TGFマスキングタンパク質などの遺伝子発現を調べ、これらの遺伝子が骨形成過程において種々の骨誘導因子の関与のもとにどのように発現するかを、in situ hybridization(ISH)法により調べてきた。その結果、bekと名付けられたFGFレセプタ-遺伝子が前軟骨芽細胞に特異的に発現しすることや、アクチビンレセプタ-やTGFマスキングタンパク質遺伝子が軟骨細胞に発現し、骨形成に関与していることなどを発見した。代表者らの最終的な目標は、三次元ISH(3DーISH)法を確立し、その方法を用いて上記遺伝子群の三次元発現パタ-ンを解明することである。本年度は、蛍光ラベルを用いた3DーISHの技術の共焦点レ-ザ-顕微鏡の利用による確立をめざしたが、感度の点でまだ満足な結果が得られていない。現在、ハイブリダイゼ-ション後に化学的にプロ-ブを蛍光ラベルして感度を上昇させる方法を検討している。
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