研究分担者 |
大山 和彦 岡山大学, 歯学部, 助手 (20169080)
小山 英樹 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (30186829)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助手 (30243463)
高橋 浩二郎 岡山大学, 歯学部, 助教授 (00144775)
山本 敏男 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30107776)
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研究概要 |
ニワトリ肢の形成における3次元構造は,基本的には3軸つまり遠近軸,前後軸、背腹軸の決定により構築が始まる。それらの体軸設定において,遠近軸および前後軸はChox-1クラスターあるいはChox-4クラスターに属するそれぞれのホメオボックス遺伝子群の各発現パターンにより決定されるという事実の発見と前後して,対応する位置情報を各細胞にその発現パターン(位置価)として与えるかようなホメオボックス遺伝子が不可欠な役割を担っている事実が,骨の形態を決定するパターン形成過程について代表者らや他のグループによって確認された。ただし,背腹軸に関しては報告の時点ではまだ解明されていない。 これらホメオボックス遺伝子の発現過程にはペプチド成長因子類が関与しており,平成4年度においては代表者らはFGF,FGFレセプター,アクチビン,アクチビンレセプター,TGFマスキングタンパクなどの遺伝子発現を調べ,これらが骨形成過程において種々の骨誘導因子の関与のもとにどのように発現するかにつきin situ hybridization(ISH)法による発現パターンの解析を推進してきた。その結果,bekと名付けられるFGFレセプター遺伝子が前軟骨芽細胞に特異的に発現することや,アクチビンレセプターやTGFマスキングタンパク遺伝子が軟骨細胞に発現し,骨形成過程において不可欠な役割を果たしていることなどを発見した。 また3D-ISH法については,それが準拠する蛍光法を最終的に基準化する目的で,より高感度であるオートラジオグラフィー法を適用した場合に出現する銀粒子の蛍光レーザースキャン法による検出可能性を実地に検証した。しかしその検出限界に関連する感度上昇の検討においては,オートラジオグラフィー法の場合には蛍光法の場合と異なり,メーカー側にもデータ不充分で適切なソフトが組み込まれておらず,検出感度の上昇をソフトの開発の課題とともになお鋭意推進中である。
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