研究課題/領域番号 |
02404073
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
斎藤 滋 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (80084713)
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研究分担者 |
中野 完 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80164250)
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20084783)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60050689)
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (30084784)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 機械的外力 / ヒト歯根膜由来線維芽細胞 / ヒト歯槽骨由来細胞 / 細胞増殖分化 / Alkaline Phosphatase / Cell Attachment and Spreading Factors / Stretching / Collegen Gel Contraction |
研究概要 |
本研究は咀嚼システムの第一段階の『咬合』が歯周組織を構成する歯根膜と歯槽骨中の細胞に対して、いかなる代謝応答を示すかを解明することを研究目的とした。そこで、ヒト歯根膜由来線維芽細胞(HPLF)とヒト歯槽骨由来細胞(HABC)の培養系の確立を行い、機械的外力としてFlexercell strain unitを用いたストレッチングと、コラーゲン・ゲル内培養を用いたゲルの収縮により、直接HPLFとHABCに負荷した。細胞の応答として細胞の増殖(DNA量)し分化(アルカリフォスファターゼ:ALPase)を検索し、さらに細胞間の相互作用の活性を、細胞接着・伸展因子(CASFs)の分泌を検討した。その結果、機械的外力の強度をculture plateの底部の伸張度によって6,18,24%とし、con-fluentのHPLFとHABCに負荷し、DNA量とALPase活性を測定したところ、HPLFのDNA量はほとんど変化がないのに対して、HABCのDNA量は明らかに増加した。一方、ALPaseは、HPLFにおいて18%と24%のdoseに応じて増加し、しかしHABCにおいて6%,18%で有意に増加するものの、24%でコントロールよりも低下した。これらの事から、明らかにストレッチングに対するHPLFとHABCの応答性が異なりHPLFの細胞分化への影響が効果的に現れたものと思われる。さらにCASF活性は、HPLFとHABC共に18%最大値を示し、DNA量とALPase活性への影響からも18%が最もHPLFとHABCの応答を検索するのに最適強度と思われた。 コラーゲン・ゲル内培養での収縮現象はHPLFとHABCで認められた。そこで細胞の増殖が抑制され、ALPase活性も減少した。また、HPLF由来のCASFsを添加すると細胞密度がゲルの収縮に十分でなくともゲルの収縮は促進され、ゲルの収縮に細胞密度ばかりでなく、コラーゲンと細胞間にCASFsの関与が示唆された。 従って、機械的外力のモデル実験としてストレッチングと収縮による細胞の応答性を検索したが、細胞の増殖と分化に対する影響は明らかとなり、機械的外力と生命科学での基礎的情報を提供するものと思われる。
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