研究課題/領域番号 |
02404074
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50171567)
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研究分担者 |
猪越 重久 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (60143583)
冨士谷 盛興 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60190055)
山田 敏元 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40134712)
佐野 英彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90205998)
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キーワード | 接着性レジン / 齲蝕象牙質 / 樹脂含浸層 / アルゴンイオンエッチング / 接合界面 |
研究概要 |
齲蝕象牙質第二層とレジンとの接合界面を観察したところ、窩底部においては、象牙質の構造変化に対応して、同一歯でも部位によって様々で、概ね三種類に大別されることが明かとなった。すなわち、細管が開いている場合には閉塞している部分に比べて、リン酸による管間象牙質の脱灰が深くなっており、細管内に円柱状の構造物が観察される場合には、管間象牙質が脱灰され管周象牙質が溶解しても、最内層は溶解せずに含浸層内に取り込まれていた。また管腔内が微細な結晶で封鎖されている場合には、表層の管周象牙質と細管内結晶が共に溶解消失することが判明した。齲窩の側壁部では被着面に対して象牙細管の走行が平行となっており、窩底部にように細管が横断された部よりも脱灰層の幅は極端に狭く、酸蝕剤の浸透経路として細管が重要な役割を果たしていることが示唆された。また歯頸部の硬化象牙質における接合界面の検討も行った結果、齲蝕象牙質における含浸層の幅はさらに狭くなっており、管間象牙質の構造が異なっていることが示唆された。 ブロム付加レジンによるレジンの浸透度の検討が技術的に困難であったため硝酸銀を浸透させて辺縁漏洩を調べたところ、含浸層のように観察される部位でもボンディングレジンの含浸が不十分で辺縁漏洩の経路となるような新たな層の存在が明かとなった。 新たに開発された試作新材料を用いた場合について従来の材料と比較してみると、含浸層の幅は1μmかあるいはそれ以下となっており、含浸層とその下部の下部の象牙質との境界部は不明瞭で連続的に移行し含浸層内のコラーゲン線維の横紋構造もより明瞭で前処理によるダメージも少ないことが透過電顕観察により判明した。
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