研究課題/領域番号 |
02404081
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
安達 秀雄 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90031971)
|
研究分担者 |
福井 美香 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10218894)
井山 寿美子 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40116314)
笠木 健 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50031993)
|
キーワード | 癌性疼痛とその軽減法 / 腹痛と皮膚温、血流量 / 皮膚効果とサ-モグラフィ- |
研究概要 |
消化器癌再発患者の愁訴実態調査により、生活ニ-ズの中で最も高値を示したのが生理的因子で、その関与率は60〜100%であった。その内、疼痛の占拠率は20〜40%で、疼痛緩和が患者のQOL(生活充足度)を大きく左右した。 前年度の研究で罨法の介在効果を示唆する結果を報告したが、本年度は皮膚表面温度と深部温度、血流量の面からも、介在効果の実在を検索した。顕著な変化を示したのは温罨法で、表面温度と血流量に関してはホットパックとサ-モシップは共に類似の反応を示し、上昇した。しかし深部温度についてはサ-モンシップは冷罨法効果を有し、ホットパックと異なる反応を呈した。冷罨法剤としてのコ-ルドパックは今回の実験では局所効果が顕著に現われ、介在効果は不確実であった。 動脈血流障害実験ではアイスパックを用いて15分間下肢を冷却させることが、最も効果的であり、これを採用した。回復実験で最も効果な援助方法は、足浴と蒸しタオル併用であり、援助開始後40分で血流量は冷却開始前の状態にまで回復し、以後は上昇した。表面温度については援助開始後60分で冷却前の状態となり、以後は上昇した。しかし深部温度に関しては回復傾向は早期には出現せず、援助開始後70分を経ても回復しなかった。なおマッサ-ジ単独では、いずれの面での測定でも回復は遅く、効果は認められなかった。また障害患者での罨法援助は3分間という時間内で行った。動脈閉塞度に関係があり、重症例での回復は望めなかったが、軽症例では部分的に改善所見が得られた。 消化器癌再発患者中最もサ-モグラフィ-によく反映したのは、癌腫の壁側腹膜への浸潤、皮膚転移、尾骨浸潤など皮膚表面から測定が可能な範囲内の変化に限定され、いずれも高温域に傾いていた。 次年度は臨床例について、種々の資料を集め検索する予定である。
|