研究課題/領域番号 |
02404081
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
安達 秀雄 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90031971)
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研究分担者 |
福井 美香 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10218894)
井山 寿美子 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40116314)
笠木 健 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50031993)
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キーワード | 癌性疼痛とその軽減法 / 腹痛と皮膚温、血流量 / 皮膚温度効果とサーモグラフィー |
研究概要 |
再発性消化器癌患者38名における腹部愁訴の実態について調査した。患者の内訳は、胃癌群13名、大腸癌群12名、肝・胆・膵癌群12名、その他の悪性腫瘍群3名であった。最終入院となった期間を前、中、後期に3等分し、愁訴や症状を分析した。 冬期を通じて多かったのは疼痛で、前期は85.5、中期68.5、後期66.8%となった。23名の死亡退院例につき、疼痛出現度を調査すると、前期93.5、中期79.5、後期86.3%となり、疼痛も激烈であった。全症例についていて疼痛を訴える回数を調査すると、前期1.3±1.1、中期1.2±1.0、後期0.8±0.8回となり、前期と後期の間には0.01<P<0.05の有意差をもち後期が低下していた。死亡例についても同様の傾向が見出された。ついで頻度の高い愁訴は全身倦怠感で、前・後期に高く、中期に低かった鎮痛剤の使用状況を調査すると、前期はボルタレン坐薬とペンタジンが優位となり、中期ではボルタレン坐薬のほかにも多種鎮痛剤の併用が目立った。後期では麻薬の多用が著しく、前期の2倍も使用された。鎮痛剤の日内使用状況は、午前中は少なく、午後からはボルタレン坐薬の使用が増え、ペンタジン、麻薬の順になった。深夜からはペンタジンの使用が顕著となった。最終入院時のPS(全身状態)から、Grade 0:無症状、1:軽度症状と労働制限、2:50%以上の起居と労働制限、3:50%以上の起居と介助動作、4:終日就床に分け予後を検討すると、0で46.2%、1,2は50.0%、3が90.0%、4で100%が死亡し、入院時の全身状態に深く影響されていることが判明した。 再発消化器癌患者の疼痛は激しく、これを抑えることが最も重要と考えられた。とくにP S Gradeが高く、且つ疼痛の激しいものでは死亡率が高く、倦怠感の増減が予後の大きく関与していることを見出した。
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