研究課題/領域番号 |
02404081
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
安達 秀雄 鳥取大学, 医療技術短期大学部・看護学科, 教授 (90031971)
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研究分担者 |
福井 美香 鳥取大学, 医療技術短期大学部・看護学科, 助手 (10218894)
井山 寿美子 鳥取大学, 医療技術短期大学部・看護学科, 助教授 (40116314)
笠木 健 鳥取大学, 医療技術短期大学部・看護学科, 教授 (50031993)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1993
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キーワード | 再発性消化器癌患者の愁訴 / 皮膚温度と血流量 / 看護プログラム |
研究概要 |
再発性消化器癌患者にとって、耐え難い苦痛とは終日持続する腹痛であり、鎮痛剤でもってしてもこれを完全に消失させることはできない。従って患者の欲求に応えるためには、疼痛発生の実態を十分把握した上で対処する必要がある。経験上、局所の皮膚温度は種々の身体状況によって変化することが知られている。すなわち、炎症の際には局所は高温域に、また動脈の閉塞性疾患では低温域となり、いずれも疼痛が起こる。 疼痛緩和のために、しばしば用いられる援助として、温・冷湿布があげられるが、その効果に関しては十分知られていない。そこで、基礎実験として、上・下肢を罨法により、加温あるいは冷却すると、反対側の非罨法側上・下肢にも高温域あるいは低温域が生じ、皮膚の表面温度や深部温度、さらには血流量にも変化が起こってくることが判明した。この変化は温熱の求心性刺激が自律神経の反射によって、遠心性刺激として他の部位に伝えられるもので、介在効果と理解した。なお、罨法材料として蒸しタオル、寒・温両用湿布剤(コールド・ホットパック)、温熱パップ剤(モムホット)、貼布型温熱湿布(サーモシップ)について検索したが、材料による差もあり、その適用を十分考える必要があった。 本疾患患者47名の愁訴追跡から、終末期愁訴として疼痛、全身倦怠感その他の身体的なにびに精神的苦痛が浮上したが、これらの4愁訴を緩和させるための看護プログラムを作成した。プログラム内容は患者苦痛の具体的な把握であるが、患者の言動と表情を基とした4段階方式の評価で、各愁訴につき0〜3点、総計で0〜12点を配した。また行動評価として、自立運動から終日臥床までを5段階に分け0〜12点を配した。患者のQOL(Quality of Life)は行動評価-愁訴総合評価として表わし、-12〜+12点を配した。従って患者のQOLを向上させるためには愁訴を可及的に緩和し、行動範囲を拡大させる必要があった。
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