研究課題/領域番号 |
02404083
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 正男 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30081665)
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研究分担者 |
伊藤 守 (財)実験動物中央研究所, 研究員 (00176364)
ウイ ホンキェン 北海道大学, 獣医学部, 助手 (40223440)
奥 祐三郎 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (60133716)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | エキノコックス / 代替宿主 / プリドニゾロン / ハムスター / スナネズミ / 南北米産齧歯類 / 免疫診断 / 宿主特異性 |
研究概要 |
プレドニゾロンで処置したゴールデンハムスターとスナネズミ小腸から多包条虫の成虫が回収され、感染力の有する虫卵が排泄された。次に北米産の齧歯類10種を用いて多包条虫代替宿主としての可能性を調べた所、カンガルーラット、ポケットマウスにおいて未熟虫体が回収されたが、成虫は回収されなかった。ゴールデンハムスターの可能性をさらに検討するため、5系統の近交系のハムスターに感染実験を試みた、AN系が若干優れていることが示された。多包条虫感染初期における小腸の組識学的研究により、マウス、ハムスターおよびスナネズミの比較を行ったところ杯細胞の活性化がみられ、感染初期の虫体定着の阻害と粘液の関係が示唆された。また、プレドニゾロン投与群と非投与群の比較では粘膜肥満細胞の増加に差が認められ、長期間の寄生阻止に肥満細胞が関与するものと思われた。多包条虫の再感染防御を調べるために、ハムスターを用いて再感染実験を行ったところ、明瞭な獲得性の免疫が示された。胆汁のコレステロールと多包条虫感受性の関連がプレドニゾロンで処置した動物やハムスターの実験から示唆された。南米産齧歯類(Akodon,Oryzomys)、ハムスターおよびスナネズミへの単包条虫の感染実験を試み、コーチゾン処置方法の検討(経口もしくは皮下注)も加えた。単包条虫の生残は感染後10日まで認められたが、それ以降虫体は腸管内から検出されず、多包条虫のような性成熟は全く認められなかった。この代替モデルを利用してエキノコックス感染犬の診断法を確立した。実験感染犬およびハムスターの糞便内寄生虫抗原に関する研究を行い、熱処理した糞便に対しても有効なモノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISAを開発した。
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